研究課題/領域番号 |
15550146
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体関連化学
|
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
田嶋 邦彦 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (50163457)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | マラリア原虫 / His / ヘム無毒化 / ESR / 抗マラリア薬 / 高級集 / マラリア / ヘム / HRP2タンパク / モデルペプチド / ESR(電子スピン共鳴) / マラリアの成長阻害 / ヘム代謝 / ペプチド / ヘム-ペプチド複合体 |
研究概要 |
マラリア原虫が被と赤血球内でヘモグロビンを栄養源として増殖する過程で生成するフリーのヘムは、マラリア原虫の細胞膜に強く結合して膜構造の不安定化をもたらすこと、マラリア原虫に対して強い毒性を有することが知られている。マラリア原虫は赤血球内部での生存を可能にするために、フリーのヘムを無毒化する様々な生理活性を進化の過程で獲得した。特に、ヘムに強く結合するヒスチジンを大量に含むタンパク質(ヒスチジンリッチタンパクHRP2)は、フリーのヘム補足するだけでなく、ヘムの会合を促進して不溶性のヘム凝集物であるヘモゾインを形成する。HRP2は9残基のアミノ酸配列の繰り返し部分を大量に有するタンパクであるが、そのHisとヘムの配位様式の詳細は明らかにされていない。そこで、繰り返し配列を基本とするHRP2モデルペプチドを系統的に合成し、それらとヘムの錯形成反応を光吸収および電子スピン共鳴法によって詳細に検討した。 これまでに報告されている天然のHRP2-ヘム錯体のESR信号は、比較的シャープな線形を与える成分と、極端にブロードな成分が重なるふくざつな線形を示すことが知られている。本研究で合成した最短のモデルペプチド(10量体)は、極めてブロードなESR線形を与える。モデルペプチドの鎖長を延長するに連れて、シャープなESR線幅を有する成分の比率が増加し、最長の27量体ペプチドのヘム結合体では、天然のHRP2ヘム複合体とほぼ一致するESR線形を与えた。この結果から、ブロードなESR線形を与える成分は、最短のペプチドに含まれるHisが分子内でヘムの上下に配意した場合に特徴的であることを示唆している。他方、シャープな成分は離れた位置にあるHisが2分子軸配位した場合に観測される線形であることが考えられる。錯形成することが明らかにされた。この構造は、HRP2に結合するヘムが容易に会合してヘム凝集体であるヘモゾインが形成するために必要な構造として理解できる。
|