配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
1.ディスプレイ用ネマチック材料の高速化:分子分極率を大きくすることなく誘電異方性(Δε)大きくすることができれば高速化及び駆動電圧の低下に大きな効果がある.そこで,2つの含フッ素基をカテコールでつないだ分子を合成し,ホストネマチック液晶に添加して電気光学特性を調べた.その結果,新規U型化合物が大きなダイポールを導入することなく系のΔεを顕著に大きくし,しきい電圧(Vth)を低下させることがわかった. 2.ブルー相を用いた新規表宗示体用液晶材料:ブルー相は近年高速応答媒体や光変調素子媒体として注目されているが,その温度範囲が非常に狭いことが大きな課題である.そこで,我々は分子二軸性とキラリティーを結びつけることにより,ブルー相の安定化が可能になると考え,新規化合物の設計・合成に取り組んだ.その結果,軸不斉を持つビナフチル誘導体がブルー相から直接スメクチックA相に転移し,ブルー相の温度幅も7Kあり,従来の物に比べてかなり広い温度範囲を示した.さらに,分子二軸性に注目し,キラルT型化合物を合成した.この化合物は過冷却状態であるが室温を含む広い温度範囲でブルー相を示した.二軸性化合物へのキラリティー導入が次世代高速ディスプレイ媒体として期待されるブルー相を安定化する新しい手法であると考えている. 3.液晶オリゴマーによる新規秩序の構築:新規λ型化合物を設計・合成した.この化合物が示す液晶相において,X線回折で層間隔に相当する3つのピークが観測され,いずれもその方向が層の法線方向であった.この相は異なる3つの周期構造をもつ不整合なSmA(SmAinc)相と同定した.また,シアノビフェニル基とフェニルピリミジン基を持つ二量体液晶の混合系でSmCanti相が誘起され,そのホメオトロピック配向領域において縞模様の周期構造の形成と温度によるパターンの進行が見られた.液晶における新しいタイプの散逸構造であると考えられる.
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