研究課題/領域番号 |
15550159
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能材料・デバイス
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小林 範久 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50195799)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | DNA / ポリアニリン / 電荷輸送性 / 光電機能材料 / ナノデバイス / 有機EL素子 |
研究概要 |
Ru(bpy)_3^<2+>を用いたアニリン2量体{N-フェニル-p-フェニレンジアミン(PPD)}の光重合時にポリアニオンであるDNAを共存させると、DNAの高次構造を反映したポリアニリン(PAn)/DNA高次組織体が生成できる。また、このDNA組織体を用いて応答性が早く、高輝度なRu発光型のEL素子の試作に成功した。本研究では、第1に光電機能的により良好な特徴が見込まれるDNA/PAn高次組織体の簡便な製法の確立を目的とし、PAn溶液とDNA溶液の混合で得られる高分子錯体の構造について検討を行った。次にこの高次組織体を分子ワイヤーへ展開するべく、電極間での高次組織体の配列制御について検討を行った。 DNA/PAn高次組織体をPAn溶液とDNA溶液の単純な混合で形成するためには、混合後の高分子錯体がどのような構造をとるか定量的に評価する必要がある。特に、組織体形成は高分子間反応となるため混合条件によっては規則性を持たない組織体となりうる。種々の混合条件を検討した結果、DNAとPAnを高次に組織化できる条件の確立に成功し、その構造は光重合で得られたDNA/PAn高次組織体と同等であることがCDスペクトルやIRスペクトルから明らかとなった。Ru錯体を組織体形成後に導入することも可能であるため、高次組織体の汎用化に有効と考えられる。 DNA/PAn高次組織体をより特徴ある光電機能材料や分子ワイヤーとして利用するためには、その配向性の制御が必要不可欠である。そこでまずDNAとRu(bpy)_3_<2+>からなる組織体の静電伸長について検討を行った。DNA分子長より短い電極間距離を有する表面型電極を作成し、DNA/Ru(bpy)_3^<2+>組織体の静電伸長を行ったところ、組織体が電極間を橋渡しする状態で両極間に固定できることが蛍光顕微鏡観察より明らかとなった。AFM観察でもそれを支持する結果を示しており、静電伸長が組織体の配列・配向制御に有効であることが示唆された。AFM結果から、現時点では単一分子レベルでの制御は得られておらず、多数の組織体が絡み合ったフィブリル状の構造をとっている。単一分子レベルでの機能を発現させるためにはより精密な条件設定が必要と思われるが、静電伸長は本高次組織体を分子ワイヤーに展開できる有効な手段に一つであることが確認できた。
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