研究課題/領域番号 |
15550171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
加納 博文 千葉大学, 理学部, 助教授 (60334166)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ナノ細孔体 / 白金 / パラジウム / テンプレート法 / シリカメソ細孔体 / ポリビニルアルコール / メタノール酸化 |
研究概要 |
テンプレート法により、PtやPd等の金属ナノ細孔体の合成法を確立し、得られた物質の基礎的特性を把握し、触媒や電極機能を評価するとともに、ナノ物質特有の量子効果を解明することを目的とした。 テンプレートとして直径約20nmのシリカ微粒子を用い、塩化白金酸のアセトン溶液に浸し、その後還元することで、20nmの殻構造を有するナノ細孔性Ptを合成した。加熱還元過程で溶媒から炭素分が生成するが、真空加熱処理により除去し、Ptナノ細孔体を得た。このようにして得たPtナノ細孔体のメタノールの電気化学酸化特性を調べた。市販の白金黒と同程度の活性が認められ、CO被毒に対してはより高い耐性を有し、優位な点を示した。さらに、異なる構造のシリカテンプレートを用いた場合、得られる細孔体の構造が異なることを明らかにした。 ポリビニルアルコール(PVA)フィルムをテンプレートとして、Pd金属ナノ細孔体の合成法を検討し、得られた物質の基礎特性を調べた。10wt%のPVA水溶液を383Kで室温乾燥し、フィルムを作製し、Pd(NO_3)_2の硝酸溶液に入れ超音波処理した。これによりPdをフィルムの網目構造に含浸させ、洗浄後室温で乾燥させた。さらにこれを窒素雰囲気下で773Kで焼成することにより、ポリマーを除去し、Pdナノ細孔体を得た。粉末X線回折(XRD)測定の結果、硝酸パラジウムをフィルムに含浸した段階で、金属パラジウムに還元されていることがわかった。これはPVAの側鎖のヒドロキシル基が還元作用を有するためで、1段階で金属パラジウムを生成させるという、有利な反応系であることを示した。XRDピークの半値幅から、結晶子の大きさとして10nmと見積もられたが、その周りにカーボンが存在し、触媒作用を低くする原因となることがわかった。このように均一な10nm程度の金属パラジウム粒子を得る方法が得られ、一定の成果は上がったが、今後、ナノ細孔性パラジウムを得るために、脱炭素処理をする必要があることがわかった。
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