研究課題/領域番号 |
15550175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
野間 直樹 近畿大学, 理工学部, 講師 (70208388)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 水酸基置換芳香族ケトン / エステル基 / 化学修飾 / 光感応性ゲル / パターニング / ジルコニア / ユーロピウムイオン / 蛍光薄膜 / 水素基置換芳香族ケトン / レーザ描画 / 吸収極大 |
研究概要 |
報告者らは、β-ジケトンで化学修飾された金属アルコキシドのゲル膜が光感応性を示すことを見いだし、この光感応性を利用してパターン化した薄膜を得るという新しい微細加工プロセスを開発している。本研究では、化学修飾剤を適切に選択するというアプローチで、分光感度の拡大を検討するとともに、それらを用いてフォトニックデバイスの開発を行い、以下の成果を得た。 1)水酸基置換芳香族ケトンを用いた光感応性ジルコニアゲル膜の作製とパターニング 水酸基置換芳香族ケトンを化学修飾剤に用いて作製したジルコニアゲル膜の特性について検討を行った。その結果、1-(2-ヒドロキシフェニル)-3-フェニル-2-プロペノン(HPP)を用いた場合、これまで作製たゲル膜の中で最も長波長に吸収帯を示すことを見いだした。また、HPPを化学修飾剤に用いて作製したジルコニアゲル膜について、YAGレーザ(波長:355nm)によるパターンの直接描画を検討し、直線だけでなく、レンズ機能をもつゾーンプレートの作製にも成功した。 2)短波長に感度を示すゲル膜の作製とパターン解像度の向上 光感応性ゲル膜の分光感度と化学修飾剤の構造との相関を明らかにするために、エステル基を含む化学修飾剤を用いてジルコニアゲル膜の特性を検討し、アセチルアセトンの場合の吸収極大である300nmに対して、アセト酢酸エチル、マロン酸ジメチルの場合では、それぞれ、280nm、275nmに吸収極大を示すことを見いだした。また、アセト酢酸エチルを用いた場合に、1μm程度の微細なパターンを作製することができた。 3)パターニング可能な蛍光薄膜の開発 光感応性ゲル膜にEuイオンなどの蛍光体を添加することにより、パターニング可能で、かつ、蛍光性を有する薄膜の作製に成功した。作製したEuイオン添加光感応性ゲル膜を用いて、約1μmの微細なパターンを作製することができ、紫外線を照射すると赤色に発光することがわかった。
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