研究課題/領域番号 |
15550178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤原 政司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30229075)
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研究分担者 |
高井 光男 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50002019)
棟方 正信 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50261326)
惠良田 知樹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30213581)
田島 健次 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00271643)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | バクテリアセルロース / 酢酸菌 / グルコース代謝経路 / 生産性 / ラベル化セルロース / 高分解能NMR測定 / エタノール |
研究概要 |
酢酸菌の一種は培地中に菌体外多糖類としてセルロースを産生する。これはバクテリアセルロースと呼ばれ、高純度・高強度・高生分解性であることから、新規な工業素材として有望であるが、生産性の改善が不可欠である。セルロース収量の大幅な改善を達成するには、原料グルコースの代謝経路の詳細を知る必要がある。そこで、原料にラベル化グルコースを用いて、そのラベルがセルロース中のどの炭素原子に残っているかをNMR法で調べ、グルコースがセルロースに達するまでに通過した代謝経路の割合を調べた。その結果は、直接重合経路が16%、Embden Meyerhof経路が0%、Entner-Doudoroff経路が41%、Pentose phosphate cycle経路が35%、グルコース新生経路が8%であった。次に、エタノールを培地中に1%添加してセルロース収量が1.5倍になったときに代謝経路の割合がどのくらい変化しているかを同様な方法で調べた。その結果、直接重合経路とグルコース新生経路の割合が増えていることがわかった。そのため、エタノールがエネルギー源として菌の増殖に用いられ、その分グルコースが直接セルロース生産に振り向けられるので、セルロース収量が増えたと考えられた。また、培地中の酵母エキスを増量してセルロース収量が2倍になった時の代謝経路について同様に調べた。その結果から、酵母エキスの成分がTCAサイクルを活性化することにより、グルコースがエネルギー源としてではなく、直接セルロース原料として用いられる割合が多くなったと考えられた。また、リグニンスルホン酸を添加してセルロース収量が1.8倍になったときの代謝経路について同様に調べたが、直接重合経路が増えていないので、他とは違う経路が予想できた。
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