研究課題/領域番号 |
15560040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
濱崎 勝義 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40143820)
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研究分担者 |
石黒 孝 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10183162)
王 鎮 独立法人, 情報通信技術研究所(超伝導エレクトロニクス・グループ), グループリーダー (70359090)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | Bi-2212単結晶 / 自己フラックス法 / 自己平坦化法 / 固有Josephson特性 / 高周波ミクサ / 固有ジョセフソン接合 |
研究概要 |
ナノアレイ型Bi-2212固有Josephsonデバイスを作製するため、本研究では、従来の結晶合成工程を著しく簡単化した新しい自己フラックス法を開発し、Tc, zero=90Kの高品質Bi-2212単結晶を再現性良く合成することができた。平成15年度は、光露光法・Arイオンミリング法を用いて単結晶を加工し、ナノアレイ型Bi-2212固有Josephson接合の作製を作製した。得られた素子は、液体窒素温度(77K)でも明瞭なブランチ構造を示した。この素子の臨界電流の磁場、及びボウタイアンテナ付デバイスのマイクロ波電力依存性を調べた結果、良好なJosephson特性を示すことを見出した。また、16年度には,"Self-Planarizing process"(自己平坦化法)と名づけた新プロセスを開発した。Bi-2212層と改質層の平坦性を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した結果、0.1%塩酸に5秒間浸漬させた場合のBi-2212層と改質層の境界は完全に平坦であることが示された(塩酸濃度が0.5%以上では化学エッチングによる段差が生じている)。また、希塩酸で処理したBi-2212結晶の表面層の抵抗率はρ>10^7[Ωm]であり,絶縁性も十分であった。この方法で作製された素子の臨界電流及びリターン電流の温度依存性を測定し、リターン電流の温度依存性についての理論解析を進めた結果、これを良く説明するモデルを得ることができた。この知見はBi-2212単結晶を用いたSISナノアレイ型高周波ミクサの設計上有用なものである。 以上、平成15-17年の3年間、総額370万円の科学研究補助金を頂き、研究を進めてきた結果、(簡便な)結晶合成法、及び新しいデバイス作成法("Self-Planarizing process":自己平坦化法)を開発し、マイクロ波特性,プロセス技術,ノイズ特性等について、7編の論文、2編の国際会議発表、5編の研究会技術報告、及び16編の学会発表を行うことができた。マイクロ波応答特性については満足できる結果までは至らなかったが、この研究過程でミクサ開発についての多くの有用な知見を得ることができた。
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