研究課題/領域番号 |
15560050
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工学基礎
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
岩崎 秀夫 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (70168558)
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研究分担者 |
小矢野 幹夫 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (60195873)
内藤 智之 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (40311683)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 熱電変換素子 / 熱電性能指数 / ハーマン法 / 非平衡熱電物性 / 電子温度 / 格子温度 / 非平衡-非線形熱電物性 |
研究概要 |
本研究で得られた成果は大きく分けて二つ挙げられる。一つは、熱電変換材料で発現する電子-格子系の間の非平衡定常状態の観測である。代表的な熱電現象として知られているペルチエ効果は、電子系で起こる現象であり、ペルチエ熱は電子を加熱、冷却し、格子を直接温めるわけではない。格子が加熱されるのは電子との熱的な相互作用を介してである。また電流印加の間、電場がかかっているので電子は強制的に流され、且つ発熱が継続して連続的に起こる。この様なことを考えると、熱電変換材料では電子-格子系の間に定常的な非平衡状態が発現することが期待される。前年度までで進めてきたハーマン法に基づく評価装置を使って電子温度、格子温度の測定からこの検証を試み、巨視的なサイズで非平衡状態が発現することを示した。第二点目は、Bi細線素子アレイを用いた熱電物性評価であり、数ミクロンから数十ミクロンの径からなる細線素子アレイでは、バルク素子でZT=0.1程度であった性能指数が、最大ZT=2.87まで実に2.6倍以上改善できることが明らかになった。本研究で開発した熱電物性評価装置では、性能指数のみならずゼーベック係数、熱伝導率も評価でき、その測定結果から細線化によってBiの結晶の制御が自動的に促進され、性能指数の大幅な改善は、結晶構造に由来する熱電物性の異方性に起因することを明らかにした。これについては、その制御の精密化、他の熱電材料への応用へと進めていく予定である。今年度は、この研究のまとめの段階にあるが、前半における装置開発に基づき、細線素子のみならず、バルクの素子についても重要な結果を生み出すことができ、全体としてまとまった形で終えることが出来た。
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