研究概要 |
バーガースセルオートマトンは交通量モデルとしてよく使われるRule184セルオートマトンを含むことが知られている。またバーガースセルオートマトンは流体力学の流れの場に相当する量に注目したEuler表現の方程式である。ところが最近、Rule184には粒子的な動きに着目したLagrange表現が存在することがわかった。この表現もまたMax-Plus代数を用いて表現され、超離散方程式と深い関連が示唆される。我々は論文"Euler-Lagrange correspondence of cellular automaton for traffic-flow models, J.Matsukidaira and K.Nishinari, Phys.Rev.Lett.Vol.90,No.8,p088701(2003)."において、超離散拡散方程式を通して、Euler表現とLagrange表現を結ぶEuler-Lagrange変換の式を具体的に求めることに成功した。この変換式はMax-Plus代数とStep関数の間に成り立つ新たな代数的公式を発見することによって導くことができたものである。我々はこれをさらに多値・多速度交通流モデルへ適用し、Fukui-IshibashiモデルやQuick-StartモデルのEuler-Lagrange対応を発見することに成功した。今年度の研究では、ソリトンセルオートマトンへの適用を試み、箱玉系におけるEuler-Lagrange対応を明らかにすることに成功した。この成果については現在論文を投稿準備中である。
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