| 研究概要 |
本研究では,耐熱性構造材料層の上に複数の圧電セラミックス層が接着された多層複合平板を対象に,アクチュエータ層に同心円状に電極が配置されたモデルを考え,底面に媒質加熱分布が作用したとき,各電極に電位差を印加して構造材料層の熱変位分布又は最大熱応力を適応的に制御する手法と,機能が最大限に発現されるように多層複合平板を最適設計する手法の確立を目的に理論解析と数値シミュレーションを行った.
1.構造材料層における熱変位分布の制御に関する研究
初めに,アクチュエータ層の応力制約条件の下に,各電極の印加電位差を決定することによって,熱変位分布の直接制御法を確立した.また,最大印加電位差が最小になるように多層複合平板を最適設計する手法も確立した.次に,センサ層とアクチュエータ層を有する多層複合平板において,センサ層の出力電位差分布から未知の媒質加熱分布を決定し,直接制御法を組合せることによって,熱変位分布の適応的制御法を確立した.
2.構造材料層における最大熱応力の制御に関する研究
熱変位分布の制御に関する研究成果を応用して,初めに,アクチュエータ層の応力制約条件の下に,各電極の印加電位差を決定することによって,構造材料層における最大熱応力の直接制御法を確立した.また,最大熱応力の抑制率が最高になるように,電極と多層複合平板を最適設計する手法も確立した.次に,センサ層とアクチュエータ層を有する多層複合平板において,センサ層の出力電位差分布から未知の媒質加熱分布を決定し,直接制御法を組合せることによって,構造材料層における最大熱応力の適応的制御法を確立した.
以上の研究成果により,応力状態を制御するインテリジェント複合平板の最適設計法が確立できた.
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