研究概要 |
本研究は,超精密メゾスケール部品の加工に適した小型加工システムの開発を目指して行ったものである.特に,このような小型加工システムに適した,水によって駆動される小型高性能スピンドルの開発を行った.本研究において得られた主要な成果は次の通りである. 1.スピンドルの開発とスピンドルの性能評価 (1)スピンドルの開発:スピンドルの性能向上を図るために,新たにスピンドルを試作した.今回,特に剛性の向上を図った結果,350N/μm以上の剛性が得られた. (2)スピンドルの回転精度の測定:スピンドルの回転精度を測定した結果,回転振れは60nm以下であることが確認された. (3)水の圧力脈動とスピンドルの回転精度の関係:スピンドルに供給する水の圧力脈動とスピンドルの回転精度の関係を検討し,脈動が回転精度を低下させることを示し,脈動低減装置を設置した. (4)スサンドルの回転数制御:スピンドルの回転数を制御するために,ロータリー型流量制御弁を製作し,回転数制御実験を行った.その結果,負荷変動に関わらず回転数を一定にできるようになった. 2.加工用小型ステージの試作及び加工システムの構築 (1)超精密メゾスケール部品創成用小型エアステージの開発:メゾスケール部品の超精密加工に適した小型エアステージを試作した.開発したステージの基本性能を測定した結果,位置決め精度が0.3μm,水平方向の真直度は0.05μmであった. (2)小型超精密加工システムの試作:これまでに開発してきたスピンドルと今回開発した小型エアステージを組み合わせることによって,小型超精密加工システムを構築した. 3.開発したスピンドルによる性能評価 超精密加工メゾスケール部品の加工実験:試作した小型超精密加工システムを用いて,小型部品のダイヤモンド切削試験を行った.そこ結果,加工面は非常に良好な鏡面(表面粗さ30nm)になることを確認した.
|