研究概要 |
マシニングセンター(MC)を用いた気中放電加工実現の可能性の調査,そして,形彫り放電力工機を用いた気中加工による超硬合金の加工の試みと3次元形状創成加工に関する研究を行った.まず,MCを用いて気中加工が行える可能性の調査結果から述べる.平成15年度は,MCで安定した気中加工が行える加工条件と工具電極の送り方法の調査から始め表た.その結果,微小な切込みをZ軸方向に与えてX軸方向に高速で送るよりも,加工方向をZ軸方向とし,定めた深さに達したら高速で次の加工位置まで工具電極を送る方が安定して加工が行えることが分かった.平成16年度は,MCのZ軸が持つ高速送りと高い加減速能力を利用した擬似サーボ送りによる加工を試みた.その結果,擬似サーボの効果は認められたが,重い主軸を高速で動かすことには限界があり加工速度の向上は頭打ちとなった.よって,高い周波数応答性を持つ加工テーブルを用いて加工を行うことが必要である.ここで,超硬合金の加工と3次元形状創成加工について述べる.平成15年度は,気中加工による超硬合金の加工を試みた.その結果,工具電極か工作物に超音波振動を付加させると加工速度の向上と工具電極消耗率の減少が見られた.また,3次元形状創成加工については,気中加工の方が従来の液中加工に比べて加工速度,工具電極消耗,加工精度の点で優れていた。総型電極による加工と気中加工の形状創成加工の比較では,総型電極の方が短時間で加工が終了するが,仕上げ加工で工具電極消耗が増大のために工具電極ぞ何本も準備する必要があった.よって,工具電極の製作時間とコストを考慮した場合には気中加工による形状創成加工の方が好ましい.平成16年度は,気中加工を5軸制御で3次元形状の加工を試みた.その結果,工具電極の位置を常に加工面の法線方向に制御できるため3軸制御による加工に比べて著しく加工速度が向上することが明らかとなった.
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