研究概要 |
本研究では,デトネーション振動モードの発生・遷移・消滅メカニズムの解明のために,デトネーションの波面非定常性と衝撃波後方の爆発特性に関する解明を行った. 一次元デトネーションの解析において再着火現象に関する議論はすべて一段階反応モデルを用いた解析であり,詳細反応モデルを用いた解析は報告されていない.そこで,再着火現象の詳細を解明することを目的とし,詳細反応モデルを用いて一次元水素一空気デトネーションの数値解析を行った.まず,当量比をパラメータとし,詳細反応モデルを用いた解析においてもFailed Regimeが観察されることを確認した.そして,過去の研究で用いたZND解析を適用し,再着火現象の詳細について考察した.得られた一次元デトネーションの特徴をふまえ,一次元ピストン,駆動非定常デトネーションと二次元くさび周り定常斜めデトネーションの相似性を示し,斜めデトネーション波面構造の予測法を提案した. 簡略化二段階反応モデルを用いた一次元・二次元数値解析を行い,セル構造の周期に関する考察を行った.二次元数値解析においては,チャンネル内を伝播する先頭衝撃波と鉛直方向の横波とでセル構造が形成され,セル構造の中心軸上における衝撃波圧力の振動周期が,チャンネル幅の増加に伴い長くなる傾向を示した.一次元数値解析より,衝撃波圧力の一次元縦振動の周期を明らかにした.二次元振動で観察された最長の周期と,一次元縦振動で観察された周期が,同じオーダーの振動であることを示した. 窒素もしくはアルゴンで希釈した酸水素デトネーションの二次元数値解析を,素反応を考慮して行なった.流れ場で観察された二次元セル構造において各混合気における横波の伝播特性を明らかにし,過去に行なわれた実験結果と比較した.また,波面近傍の流れ場を観察し,横波構造には衝撃波背後の反応特性が重要であることを示した.
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