| 研究概要 |
本研究は家庭を対象とした自律移動小型除雪ロボットの開発研究を目的としている.平成17年度においては以下の装置試作,動作実験および性能試験を行った.
・ロボット内部への雪取り込部分の設計,製作および動作実験.本装置は,二本のスクリュを組み合わせた構造の雪取り込み装置および,チェーンおよびスプロケットから構成されるクローラにより成り立つ.
・雪取り込みユニットはこれまでの試作結果への反省に基づき,ピッチのちいさなスクリューをロボット進行方向と半径方向が一致するように二本配置し,その中間に圧縮用のスクリューを進行方向と軸方向が一致する向きに配置した.
・これらの組み合わせにより構成したロボットの雪上における走行特性,特に雪取り込みによる負荷を受ける状態での走行特性について実験を行い.円滑な除雪作業のための移動装置(クローラ)と雪取り込み装置(スクリュ)の協調的な制御のための基礎実験を行った.
・はじめに,雪の取り込みを想定した負荷を重りの牽引により与えロボットの雪上での走行実験を行った.各負荷状態でのクローラと雪面のすべり,またすべり量のバラつきが負荷により影響をうけることを実験で検証した.
・つぎに,雪取り込みのためのスクリュを取り付け,雪の取り込みを行った.スクリュ回転数および単位時間あたりの雪処理量の負荷への影響およびすべりへの影響を測定した.
開発においては,スクリューによる雪取り込み装置をクローラの間に無駄なく配置する構成を新しく試作し,動作の確認まで行った.ロボットの完全な自律運行には至ることができなかったが,完成のために克服しなければならない種々の問題点が明らかになったものと考えている.
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