研究概要 |
本研究は,平成15年度と平成16年度で行った研究であり,その成果は次のようにまとめられる。また,その成果の一部は学術論文誌に2編掲載されている。 1 GAを用いたCPGネットワークによる基本的歩容パターンの生成 各関節駆動モータの動特性を含んだ新しいCPGを提案し,相互結合係数を介して接続したCPGネットワークを4脚ロボットに搭載した。CPGの内部係数と相互結合係数を遺伝的アルゴリズム(GA)により調整した。GAのフィットネスとして,直進行動の場合は設定時間内の移動距離を,左右旋回行動の場合は旋回角度と設定した。その結果,安定した直進行動と旋回動作が可能であることを確かめた。また,フィットネスに本体傾斜角を導入することで,本体傾斜を設定範囲内に保つ歩容パターンの生成が可能であることも確かめている。 2 外部認識センサ情報に基づき基本歩行動作の切替による目標物追跡行動 外部認識機能として小型CCDカメラを搭載し,画像情報により適応的に1で生成した基本的歩容パターンを切替えることで目標追跡動作を行った。その結果,障害物を迂回回避しつつ目標物を追跡できることが確かめられた。 3 状況判断・行動選択機能に基づく3次元的障害物回避行動 超音波センサを用いて周辺の障害物までの距離を計測し,障害物を迂回回避障害物,潜抜け障害物,乗越え障害物かに分別し,それに応じて3次元障害物回避を行った。その結果,安定した3次元障害物回避が可能であることを確かめた。 4 転倒危険度を導入した不整地状態におけるロボット姿勢安定化制御 4脚ロボットの転倒危険度を定義し,それをできる限り小さくするよう姿勢制御を行った。その結果,立脚面が時間的に変動する場合においても,各関節角を制御することでロボット姿勢をほぼ水平に保つことが可能であることを確かめた。
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