研究概要 |
従来の硬くて重い機械ロボットシステムの限界を打ち破り,生体や環境と優しく接することのできる柔軟マニピュレーションを実現するため,高速,かつ安定して動作するデバイスとして注目されるイオン導電性高分子アクチュエータ(人工筋肉アクチュエータ)と,画素ごとの超並列処理により1msのサイクルタイムを可能にした1ms超並列・超高速ビジョンシステムを用い,これまでになく構造を簡素化した人工筋肉マニピュレータを提案・製作した.具体的には平面からなるマニピュレータを制作し,2次元空間内での位置・姿勢の測定,及びハンドリングの実験に成功した.また新しい屈曲形のマニピュレータのための制御手法を提案し,その有効性を確認した.一方,能動カテーテルなどのマニピュレータとして応用可能なヘビ型の屈曲推進機構を開発し,実際の推進,旋回運動を実現した.さらに極限環境下での応用を目指し,これまで知られていなかった超高圧水中環境での屈曲実験を行った. 1.2次元で動作する人工筋肉マニピュレータを設計し,レーザ加工により電極パターン整形を行って,各部の独立制御を実現した. 2.マニピュレータの形状を制御するため,近似の運動学方程式をたて,ヤコビアンを用いた制御アルゴリズムを導出して,シミュレーションによりその有効性を確認した. 3.超高速ビジョンCPV-IIシステムでマニピュレータの手先を認識し,その位置情報を元に屈曲動作の再現が可能なことを確認した. 4.人工筋肉の屈曲制御によりヘビ型の屈曲と推進運動を実現した.これにより,前進と後進の切り替え,左右への旋回運動を実現した.また屈曲状態から推進力への変換の運動モデルをたて,実際の動きにあてはめて解析を行った. 5.これまで知られていなかった超高圧水中環境下での人工筋肉の屈曲実験を行い,通常と変わらない屈曲が可能なことを確認した.
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