研究概要 |
本研究では,ネットワークの各部分ごとの帯域・品質が極端に不均一なネットワーク,すなわちヘテロ・ネットワークにおいて,高効率に可動することが可能なP2P(ピア・ツウ・ピア)型のコンテンツ配信技術の確立を目指している. 具体的には,「ピア選択のための高効率トラヒック測定法」および「仮想ネットワーク構築法」の提案を行い,さらに,コンピュータシミュレーションを用いてこれら提案技術の有効性の検証および性能評価を行った.まず,ピア選択のための高効率トラヒック測定法について述べる.P2P型コンテンツ配信においてはリアルタイムで適切な隣接ピア構築・ピア選択する機能が要求されるため,ピア-ピア間の高速・軽量のトラヒック測定技術が必要とされる.そこで,P2P型コンテンツ配信に適した精度のア・プリオリにトラヒックモデルを仮定した高速・軽量のパッシブ型およびアクティブ型のトラヒック分布測定技術の開発を行った.提案した測定法は平成15年度に購入したP2P型コンテンツ配信技術評価用計算機を用いて,その性能と機能の検証を行った,その結果,提案測定方式が従来の測定技術に比して有効であることを確認した. 次に,仮想ネットワーク構築法について述べる.従来のP2Pネットワークにおいてはピア選択時に実際のネットワークトポロジーを考慮していないため,大量の問い合わせメッセージトラヒックが発生し,ネットワーク全体への負荷が極めて高くなるという問題があった.この問題を解決するため,仮想ネットワーク距離制限方ピア選択法を提案した.本選択法では,オーバレイネットワーク上に位置する各ピアを仮想的にユークリッド空間上の点とみなすことにより,適切な仮想方向のピアの選択を行うものである.本提案方式も,前述の信技術評価用計算機を用いて性能評価を行った.その結果,提案方式が従来方式に比して有効であることを確認した.
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