配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
画像データの情報量は膨大であるため,効率的な利用のためには符号化の際にデータ量を圧縮する必要がある.特に,JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式が,圧縮率と復号画像の画質の良さから,静止画像圧縮の国際標準方式となっている.しかし,このJPEG方式は,ブロック単位で処理を行うため,ブロック歪みと呼ばれる直線的な不連続な模様が発生し,画像の視覚的な劣化を引き起こす.そこで,ブロック単位で処理しないサブバンド変換の利用が注目されている.これにはブロック歪みを回避でき,階層符号化を容易に実現できる利点がある.また,サブバンド変換は信号を定常的なモデルに従うものとして最適化したものであるため,長い基底によって定常部分で符号化効率を高めることができる.しかし一方で,エッジのような非定常部分にも長い基底を用いてしまうので,エッジや線で生じる高周波雑音(リンギング)が拡散するという問題点がある.サブバンド変換による画像の符号化では,一般に,画像全体に対して一律に同じ長さの基底を用いている.しかし,実際には画像の局所的性質によって適切な基底の長さは異なるはずである.そこで,画像の位置によって適切な基底が選択されるようにサブバンド変換を適応的に用い,符号化効率の向上を図る.しかしながらこのとき,サブバンド変換は基底関数がオーバーラップしている部分で直交している必要があるため,位置によって変換係数を変えると画像を再構成することができない.そこで,直交サブバンド変換の係数の一部で再構成したものは正射影であることから,交互射影法によって画像を再構成する.本研究では,交互射影法を用いることにより完全再構成が可能となる,複数のサブバンド変換を画像の位置によって適応的に選択できる画像符号化方式を提案する.さらに,計算機を用いた符号化実験により,提案手法と従来の手法の符号化効率と視覚特性を比較評価し,有効性を確認する.
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