研究課題/領域番号 |
15560362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計測工学
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研究機関 | 北海道工業大学 |
研究代表者 |
佐々木 一正 北海道工業大学, 工学部, 教授 (00002006)
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研究分担者 |
数坂 昭夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (00002113)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 光ファイバセンサ / 光ファイバ・バイオセンサ / 癌診断 / チトクロムP450 / 発癌促進酵素 / P450 / EROD / cytochrome P450 / ethoxyresorufin |
研究概要 |
発癌の超初期(発症する直前)では、発癌促進酵素cytochromeP450-1Aが発現し、これが発癌物質(carcinogen)を究極発癌物質までに励起させ、癌遺伝子を産むDNA-carcinogen Adductsを形成させる。これが発癌プロセスのinitiationと呼ばれる過程である。これは酵素の発現そのものが癌発症の危険性が高まったことを意味していると理解すれば、酵素の知見は癌診断に利用できる可能性がある。つまり、酵素の動態から癌発症の危険性を診断しようとするものである。この方法は癌を発症前に診断できることから、これが実現できれば画期的診断法となりうる。 そこで、平成15年度〜16年度にわたり、超初期癌診断に利用することを目的に最新の光ファイバセンサ技術を利用して実用性の高い酵素検知システムの開発を進めてきた。その結果、検査に要する時間が短く(quick)、しかも生体に直接適用(in vivo)できる酵素検知システムの開発に成功した。この方法は酵素がその周囲に産生する蛍光物質を励起して蛍光を発生させ、その蛍光強度の時間推移の状況から酵素の活性度を評価しようとするもので、励起光の導入および蛍光を信号として検出系への取り出しに光ファイバを用いることが特徴である。 光ファイバは細径で柔軟性の高いプラスチック型のものを利用することにより、生体の任意の部位に容易にアクセスできるが、非侵襲であることが望ましいことから、経皮、あるいは皮膚表面での検知も試みた。その結果、先端より1mm程度前方に最高感度を有する空間領域があることがわかり、皮下2mm程度の深さまでの酵素状態を検知できることがわかった。 以上の研究結果により、超初期癌診断は技術的には可能となったことから、今後は診断医療の場に本装置の適用を試みる。
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