研究概要 |
往復流量測定用センサとしてウエルズタービンおよびインパルスタービンを利用した新しいタービン流量計を提案し,各種入力気流パターンに対する往復流型タービンの特性を評価した.その結果次の研究成果を得た. (1)準定常状態では角速度から呼吸周期および流量を求めることが可能であることを示した. (2)既知のタービン特性曲線を用い,角速度および角加速度から非定常流量を得る方法を提案した. (3)しかし、タービン特性曲線にヒステリシスが見られるため,正確な往復流量を計測するためには,タービン特性曲線に発生するヒステリシスの除去が必要であることが明らかにされた. (4)往復流型タービン流量計のタービン前後に発生する圧力差はほとんどないことから,呼吸の測定に応用した場合においても,被験者に不快感を与えることがないことを示した. (5)インパルスタービンがウエルズタービンに比べ,タービン特性曲線におけるヒステリシスが大いことを明らかにした. (6)動翼の枚数を減らし,空気抵抗を減らすことによって,ヒステリシスを低減を図ることは出来ないことを確認した。よって,空気抵抗以外の要因がタービン特性曲線のヒステリシスの発生要因であることが分かった. (7)往復流型タービン流量計の実機対応に向け,PICマイコンを用いた簡易型の回転数計測システムを製作し,呼吸レベルの非定常往復流に対して,ほぼリアルタイムで角速度の計算,表示が可能であることを確認した.
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