研究概要 |
ポーラスコンクリート(PoC)を用いたヨシの植栽工法と従来工法であるヤシマット工法(マット工法)によるヨシの植栽実験を行い,比較・検討した。PoC工法により植栽したヨシは,マット工法と同等以上の生育状況にあるが,一方で生育状況が経年的に減少する傾向も見受けられることから,今後,波浪や地盤高,水位の影響などを観察していく必要がある。地盤測量の結果より,ポーラスコンクリートを用いたヨシの植栽工法は地盤の侵食を防ぐ効果があるといえる。 3元配置分散分析を行った結果,ヨシの茎個体数密度は水位と植栽工法に大きく寄与しており,ポーラスコンクリートを用いた場合の優位性が明らかになった。ヨシの生育状況は水位の変動に大きく影響されることから,浮構造物によるヨシの植栽は有効である。本研究では,材料分離を防ぐために普通コンクリートと軽量コンクリートを用いて,浮体部を作製した。しかし,軽量コンクリートだけで浮体部の作製が可能であることが確認できたため,供試体質量によりヨシの生育に必要な喫水高さの調整が可能になると考えられる。 産業副産物あるいは生活廃棄物のリサイクル・有効利用は,循環型社会形成のために重要な課題である。本研究では,井形状のRC部材を有するポーラスコンクリート供試体を作製することを目的として,廃ガラスビン粉末を細骨材として用いたコンクリートを使用したRC部材の曲げ性状を実験・検討した。ガラス置換率0%と20%では同程度のコンクリート強度であり,ガラス粉末により細骨材を置換したコンクリートを用いたRC部材の曲げ性状は,普通コンクリートを用いたRC部材と同等であった。廃ガラスビン粉末を細骨材に置換しても,普通コンクリートを用いた場合と同程度の部材性能を有する,井形状のポーラスコンクリート供試体の作製が可能であった。
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