| 研究概要 |
本研究では,部材のハードな衝撃破壊と部材ソフトな衝撃破壊の解明と個別要素法等による構造部材の衝撃破壊への数値シミュレーションの応用に関する一連の研究を行った.概要は下記の通りまとめられる.
1.部材のハードな衝撃破壊
衝撃による破壊試験の前に比較データを得るために各種コンクリート部材の静的載荷実験行ない、破壊形式および荷重変位関係から破壊に要するエネルギーなどを詳細に調べた.その後、衝撃実験装置を用いて重錘による打ち抜き実験を行ない、破壊形式、貫通エネルギー、クラック面積,構造の衝撃挙動などを調べ、RC構造の飛来物に対する評価式検討のための基礎データを提示した.
2.緩衝材が敷かれた部材のソフトな衝撃破壊
飛来物の衝突点にクッション材(砂,ゴム)コンクリート部材を用いて1.と同様に静的載荷実験および衝撃破壊実験を行ない、緩衝効果について明らかにした.また、部材のハードな衝撃破壊との対比としてのクッション材が存在する場合のコンクリート部材の衝撃破壊評価方法について検討した.
3.個別要素法による衝撃破壊の数値シミュレーション手法の応用
粒状体のような不連続体の数値シミュレーションに有効である個別要素法を用いてコンクリート版の打ち抜きのシミュレーション方法を開発応用し、打ち抜きに関するより一般的な問題に適用可能とした.鉄筋コンクリートはりに関しては円柱要素を用いた2次元の個別要素法を,板構造に対しては3次元要素のよる解析法を開発し,弾性問題のみならず弾塑性衝撃問題への適用可能なことを示した.
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