研究課題
基盤研究(C)
周知の通り、国あるいは地方自治体におけるコスト縮減策のひとつに、安全性を保持しつつ、一方では維持管理費を最小限に抑えて、施設や構造物の供用期間におけるライフサイクルコスト(LCC)を低減しようとする施策がある。そのため、わが国に限っても、様々な考え方の下、いくつものLCC算定プログラムが開発されている。本研究の目的も同様であるが、大きな特徴は、構造物の安全性の評価を国際標準のISO2394の原則に従って評価する点にある。対象とした構造物は、塩害に晒される鉄筋コンクリート構造物で、その中でも、比較的短スパンの橋梁の主桁として使用されることの多いT形断面を有するはりに注目してケーススタディを行った。本研究では、構造物の安全性の評価を国際標準のISO2394の原則に従って評価してLCCを算定する手法の先駆けとなったProf.Frangopol(コロラド大学)らの理論の理解と、同理論に鉄筋コンクリート部材のひび割れ幅と鉄筋の腐食量との関係式に関する関教授(早稲田大学)の研究成果を導入してLCCを算定するコンピュータプログラムを開発することに多大な時間を要したものの、研究期間の最終年度に、ほぼバグのないプログラムを構築し得た。そこで、供用期間中における補修の判断をひび割れ幅で、補強の判断を信頼性指標によって行う同プログラムを用いてパラメトリックスタディを実施した。具体的には、構造物の置かれる環境条件(海岸からの距離)と、供用期間を100年としたときの定期点検間隔と詳細点検回数を変えて、それぞれの場合における期待LCCを算出した。その結果、海岸からの距離がRC部材の期待LCCに及ぼす影響を定量的に把握でき、また、定期点検については、あくまで設定した条件の下ではあるが、毎年ではなく、数年に一度の点検が望ましいことを数値的に示すことができた。さらに、供用期間中における詳細点検の回数についても、予想通り、鉄筋の腐食速度に影響を受けることを明示できた。これらの結果は、実務における維持補修計画を立案する際に有効に活用できると考えている。
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土木学会中国支部第58回研究発表会発表概要集 Vol.58
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Proceedings, 58th Annual Meeting, Chugoku Regional Branch, JSCE, Matsue, Japan (in Japanese)
土木学会中国支部第58回研究発表会発表概要集 (予定)(未定)
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土木学会中国支部第57回研究発表会発表概要集
第57回土木学会中国支部研究発表会 (発表予定)
JCOSSAR2003論文集、社団法人 日本材料学会 Vol.5
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