研究概要 |
本研究に用いるデータベースの情報項目と検索項目は,地盤沈下関連情報(観測井,簡易沈下計,水準測量,揚水井戸,気象,地下水水質)であり,前年度に次の3つのカテゴリーに分類してVisual Basicを用いた基本的なデータベース化を構築した.1)インデックス情報(観測点位置および諸元に関するデータ),2)ファクト情報(各種の観測データベース),3)検索ソフト(各観測データの検索ソフト).本年度は,観測データの更新と地下水質データの整理をはじめ,検索ソフトの充実,特に任意の地図上における各観測データの面的分布表示および各観測データの相互関係を検討できるソフト(地下水位と地盤沈下量・揚水量・降水量の関係)の開発を行った.また,これらの相関関係図を用いることによって,地盤沈下防止のための地下水位管理システムに用いられている地下水位変動量レベルの策定に資することが可能となった. さらに,中長期的な地盤沈下管理システムの構築を目的として,前年度に構築した地盤沈下予測システム(季節的な地下水揚水による繰返し圧密を考慮した準三次元浸透解析)を使用して,佐賀平野の地下水利用状況(上水用の地下水採取が廃止されたことも含めて)に対応した解析システムを構築した.このためには,揚水データを利用するための解析用揚水データ作成プログラムが必要であり,国土基準メッシュを要素とした各要素内の揚水量の総和を求めて,これを隣接する節点に等価配分するプログラムを作成した.これらの解析システムを用いて,地下水を利用しながら地盤沈下を防止するための地下水適正利用について,種々の地下水利用状況を想定しながら予測検討を行った.
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