研究概要 |
平成15年度にCFT短柱試験体24体の押しぬき試験,平押し試験を遂行し,平成16年度にブレース付きCFT柱梁接合部試験体5体の加力実験を遂行し,これらの結果から以下の知見が得られた. (1)CFT短柱試験体による押し抜き試験および平押し試験の付着強度は,概ね従来の実験結果に一致していると言える.つまり,円形あるいは角形の鋼管形状には強い影響を受け,コンクリート強度にはあまり強い影響を受けない. (2)CFT短柱試験体での通しダイヤフラムの機械的ずれ止め効果は,充填コンクリートとダイヤフラムの支圧強度とダイヤフラムの降伏強度の小さな方を予測値とする評価方法で大きな安全側誤差を含むが予測可能と言える.実際のダイヤフラム厚に対しては,充填コンクリートとダイヤフラムの支圧強度が支配的になる.その際の安全側誤差はコンクリートのコンファインド効果によってもたらされているが,具体的な修正係数等は今後の課題とする. (3)ブレース付きCFT柱梁接合部試験体で,外ダイヤフラム形式の場合は,鋼管内面と充填コンクリートの付着によって応力伝達が行われる.接合部試験体で得られた付着強度は,短柱試験体の押し抜き試験によるものとほぼ一致し,平押し試験によるものに対して4倍程度になった.したがって,押し抜き試験による付着強度が期待できそうである. (4)ブレース付きCFT柱梁接合部試験体で,通しダイヤフラム形式の場合は,ダイヤフラムの柱鋼管内面での見付け面積が実用上の下限(空隙率で言えば上限)であっても,コンクリートの圧縮強度に匹敵する応力伝達能力があると言える.したがって,通常の空隙率の通しダイヤフラム形式によってブレースからの応力伝達は十分であると言える.
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