研究分担者 |
有馬 隆文 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (00232067)
趙 世晨 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (80304848)
坂井 猛 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30253496)
佐藤 誠治 大分大学, 工学部, 教授 (70113412)
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研究概要 |
(1)全体の道路網を構成する情報量と交差点の2つの情報量によって,「道路のわかりやすさ」は定量的に表現できる.トランジットモールは沿道にテーマ性を持たせ,沿道サービス機能などの機能分担が,賑わいを創出していることが分かった. (2)道路景観を構成する路上設置物は数多く,設置主体も多様であり,これらの設置主体間での協議等は少なく,設置基準の内容も統一されていないことが分かった. (3)モーリス・ユトリロが描いた絵画の視点場をたどるルートを提案し,このルートが視点場間の距離,視点場の標高,視点場から見る景観タイプ,通りのD/Hなどに一定のリズムをもち,さらにL/D/Hの指標を提示しこれが文節化に寄与し,シークエンス的な景観指標として有効であることを示した. (4)ユトリロが描いた14点の絵画の注視実験を行い,奥行き方向に注視点が集中する傾向があること,最も多く注視される構成要素は「建物」で,ついで人や街灯,樹木等の路上設置物は注視されていることなどが分かった. (5)通常の商店街をまず歩行し,その翌日に,再度同じ商店街(臨時に添加要素を付加)を歩行するという2度の注視実験の結果,最初に印象として残る構成要素は,両側の建物の「店舗」,それに歩行する「人」である.次に,翌日の歩行で注視されやすいのは,臨時に付け加えられた「添加要素」と,それに立ち止まり利用する「滞留者」である.しかも第1印象後に注視されやすい構成要素の「添加要素」は,最初に獲得した印象の景観評価を変える要因になっていることが分かった.
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