研究課題/領域番号 |
15560552
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
無漏田 芳信 福山大学, 工学部, 教授 (70219955)
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研究分担者 |
酒井 要 福山大学, 工学部, 助手 (10235103)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 吹き放し堂 / 伝統的共有空間 / 継承状況 / 堂行事運営手法 / 自主管理手法 / 地区公民館 / 環境啓発イベント / 意識形成 / 町内会 / 継承組織 / 住民認知 / 阻害要素 / 住区密接型施設 / 住民自主管理システム / 関係住戸 / 判別要因 / 数量化II類 / 地域特性 / 立地環境特性 / 備後福山地域 |
研究概要 |
15年度は、吹き放し堂の形態的基準を検討し、地域住民による吹き放し堂の管理手法や継承手法を考究するとともに、行事の継続と関係住戸による利用状況の観点から堂の継承状況を継承・関与・放置に区分して判別要因を分析した。その結果、堂行事の運営は持ち寄りと輪番制を基本とし、堂の再建や補修には所有権を超えた協力関係がうかがえ、堂の継承区分の判別要因は、継承と関与では関係住戸の組織タイプと地理的環境タイプ、継承と放置では地理的環境タイプと高齢化区分、関与と放置では関係住戸の組織タイプと町内会戸数という継承条件に関する全体像が理解できた。 16年度は、吹き放し堂をもつ町内会を事例として伝統的共有空間の役割や堂の継承に関する地域組織の対応を把握するとともに、住区密接型施設の自主管理手法について検討した。その結果、堂の移管を認知している町内会は約4割にとどまり、住民と町内会との間に認識のズレがみられた。しかし、移管されていない場合でも堂の修理などは考えている町内会も少なくなく、宗教的存在という住民の認識が町内会への移管の阻害要因であることを解明した。また、移管が良好な町内会は町内の伝統的行事や建物をすべて維持管理の対象とし、吹き放し堂行事も年間行事に組み込み、転入者への理解にも工夫しているが、移管に失敗した町内会は保存会を結成しており、堂の継承には民俗文化財としての住民認知が要点となることがわかった。一方、地区公民館の運営課題や地域的役割では、地区公民館は社会教育活動よりも地域活動の拠点としての期待が高く、学区町内会に働きかけた公民館などを活用した環境啓発イベントでは、吹き放し堂の継承が良好な学区町内会の方が新しいイベントへの対応力も強く、環境啓発イベントの開催の継続は参加者の日常生活への影響や地域団体の取り組み姿勢の変化が認められ、地域の意識形成に寄与していることが指摘できた。
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