研究課題/領域番号 |
15560555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤森 照信 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80159128)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ウォートルス兄弟 / トーマス・ウォートルス / 日本近代建築史 / 明治建築 / お雇い外国人 / 冒険技術者 / アイルランド人技師 / 鉱山技師 / アイルランド人技術 |
研究概要 |
明治初期にお雇い外国人として活躍したアイルランド人技師のウォートルス三兄弟:トーマス・J・ウォートルス(1842-1898)、ジョン・A・R・ウォートルス(1846-1902)、J・H・アーネスト・ウォートルス(1851-1893)の離日後の活動を明らかにするため、ニュージーランドと米国コロラド州で現地調査と資料収集を行った。 1.現地調査 ニュージーランドと米国コロラド州の、ウォートルス兄弟が関係した鉱山と鉱山施設の跡地を見学した。またJ・H・アーネスト・ウォートルスが関係したコロラド州の鉄道施設を見学した。そのうちデュランゴ駅舎は現存が確認される唯一のウォートルスによる建物である。 2.資料調査 ニュージーランド、米国コロラド州の公文書館および図書館で、あるいはインターネットを通して、ウォートルス兄弟とその会社や鉱山に関する資料を収集した。その結果、公文書(出生・死亡・結婚・離婚証明書など)や図面、当時の新聞、雑誌、書籍、現代の地方史に関する書籍から膨大な量の資料を収集することができた。 3.総括 ウォートルス兄弟に代表される、19世紀後半に仕事と成功を求めて、世界の新開地を転々とした技術者を、筆者は「冒険技術者」と呼ぶ。冒険技術者は各地の近代化に貢献したにも関わらず、素性も消息もわからない謎の人物として正当な歴史的評価を受けられず、忘れられることが多い。ウォートルス兄弟も永らく謎の人物であった。本研究はウォートルス兄弟について初めて本格的に海外調査を行ったもので、その結果膨大な量の資料を発見し、それらのデータ(兄弟に関する約200件の新聞記事、約50件の雑誌記事を含む)によって、ウォートルス兄弟の離日後の活動が詳細に判明した。さらに本研究によってウォートルス研究の新しい方向性(オーストラリア、中国、イギリス、ドイツ)が示され、冒険技術者ウォートルス兄弟の生涯が解明される可能性も見えてきた。
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