研究課題
基盤研究(C)
本研究では、近代における東京周縁部の居住環境の形成過程について、まず、荒川区を主な対象として、戦前期の住居形式の過半を占めていた長屋地区の展開の観点から総合的な分析を加えた。荒川区の近代住宅地は、明治以降の大規模工場の進出、大正12年(1923)関東大震災後の人口流入によって、それまで広範囲に存在していた耕地を住宅地開発することにより急速に形成されたものである。その空間的実態を、昭和14年(1939))「火災保険特殊地図」より具体的に復原すると、街区・街路(路地)・敷地・建物形態には、大きな地域的差異があったことが判明する。こうした居住形態の差異が顕在化した要因は、市街化以前から存在していた都市周縁部を特徴づける先行条件の相違であったと考えられ、その具体的な形成過程を以下の4つの観点から検討した。(1)旧武家屋敷における新開地開発(2)都市計画事業による市街地整備(3)不良住宅地区の改造(4)集落部における借家経営また、それらの特徴を都市中心部の日本橋・京橋地区と比較し、多様な都市組織によってモザイク状に構成される都市周縁部特有の近代市街地形成過程の歴史的特質を解明している。さらに、人形町・八丁堀・築地など他の旧武家地や、月島・晴海・枝川などの湾岸・埋立地についても、近代における市街地形成過程や居住環境の展開過程について比較検討している。
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