研究課題/領域番号 |
15560578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
小松 正雄 広島工業大学, 工学部, 助教授 (80309616)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 点欠陥集合体 / 積層欠陥四面体 / 金属単結晶蒸着薄膜 / 電子顕微鏡 / 塑性変形 / 転位 |
研究概要 |
研究期間2力年に渡り、変形によりFCC金属中に大量発生する積層欠陥四面体(SFT)の生成機構解明を目的として実験を行った。初年度は本実験に用いる金単結晶蒸着薄膜を作製するための装置の開発と試作を行った。この結果、試料厚さ約50nm前後で試料表面の面方位(110)を有する金単結晶蒸着薄膜の作製が可能となった。次年度は初年度に試作した装置により試料を作製し、主に電子顕微鏡内その場変形実験法により変形中に発生するSFTが、いつ、どこで、どのように、という観点からその生成機構解明を目的に実験をおこなった。以下にその結果をまとめる。 (1)SFT生成の容易さは試料厚さと密接に関係しており、試料厚さが50nm以下になると生成し難くなる。 (2)変形領域で多量発生したSFTは、その結晶の主すべり面のトレース上に整列する傾向がある。 (3)SFTの生成速度は極めて速く、今回の実験手法においては確認できなかった。 (4)生成したSFTのサイズは、概ね数nmから高々10nm程度である。 (5)SFTの性質は、すべて原子空孔が集合した点欠陥集合体であった。 (6)塑性変形により生成したSFTは、転位に遭遇すると消滅することが確認された。 (7)試料厚さの厚い試料においては、SFTの生成場所は転位の活動が活発な場所と一致している。 本実験により、SFTがいつ、どこで、どのように生成されるかといった情報はある程度得られが、依然としてSFT発生の素過程については未だ不明な点も多く、その解明には空孔の移動度を低下させた状態での同種の実験が今後不可欠と考えられる。
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