研究課題/領域番号 |
15560581
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木村 禎一 (2004) 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10333882)
宮崎 英敏 (2003) 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60344719)
|
研究分担者 |
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50209459)
明石 孝也 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20312647)
宮崎 英俊 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (60344719)
木村 禎一 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10333882)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 熱電材料 / 熱伝導度 / ゼーベック係数 / 電気伝導度 / 希土類元素 / f電子 / 強相関 / 薄膜 / 熱電変換材料 / 金属間化合物 / スパッタ法 / 微細構造 / 組成ずれ / 非品質 / 強相関材料 / Yb-Al膜 / スパッタリング / 熱伝導率 |
研究概要 |
本研究では、単相の高純度・高密度のYbAl_3焼結体を作製し、その熱電特性を明らかにするとともに、YbサイトをTm、Luで置換した際の熱電特性に及ぼす影響を調べた。また、B、In、Cu、Agを添加し、Alサイトに置換可能な元素を探索するとともに、その際の熱電特性に及ぼす影響を調べた。高周波溶解によって作製した目的組成のインゴットを粉砕後、24〜72h、高純度Ar中または真空中で熱処理を行い、さらに未反応で残留しているAlを溶解除去するために1M NaOH水溶液で洗浄した。得られた粉末を、Ar雰囲気中、31.2MPa、1123Kでホットプレスすることにより焼結体を作製した。相の同定および格子定数の測定にはXRDを用いた。起電力と温度差の関係からゼーベック係数(α)、直流四端子法により電気抵抗率(ρ)、レーザーフラッシュ法により熱伝導率(κ)を測定した。 本研究で作製した高純度・高密度のYbAl_3のρは、固相反応法およびアーク溶解法で作製された試料の文献値とほぼ一致したが、αの絶対値(|α|)は、Fig.1に示したように、文献値とは異なり、温度の低下とともに増加し、108Kで116μVK^<-1>であった。出力因子(α^2ρ^<-1>)は温度の低下とともに増加し、118Kで797×10^<-4>Wm^<-1>K^<-2>に達した。この値は本化合物における従来の報告値の3.5倍であり、実用化されているBi_2Te_3の17倍であった。YbAl_3のκについては本研究でその温度依存性を初めて明らかにした。ρ、α、κの値から求めたZTは温度の低下とともに増加し、307Kで0.29であった。YbサイトにTm、Luを置換したYb_<1-x>Tm_xAl_3、Yb_<1-x>Lu_xAl_3(x=0.1、0.3)のρ、|α|は、YbAl_3単相の値と比べて小さく、置換量の増加とともに減少した。これは、Yb^<3+>の4f^<13>準位による伝導電子の散乱が置換により減少したためであると考えられる。Alサイトが置換したYbAl_<2.95>M_<0.05>(M:B、In、Cu、Ag)の合成を試みたが、B、Cu、Agの置換は確認されなかった。Inを添加した場合にはAlサイトへの置換が示唆された。YbAl_<2.95>In_<0.05>のρはYbAl_3単相の値とほぼ一致したが、|α|はYbAl_3の値より小さかった。
|