研究課題/領域番号 |
15560601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤居 俊之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (40251665)
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研究分担者 |
尾中 晋 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (40194576)
加藤 雅治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50161120)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 析出強化 / 結晶学的方位関係 / 不変線条件 / 降伏応力 / 高分解能電子顕微鏡観察 / 粒子形状 / 時効硬化 / 時効析出 / 不変線 / 降伏点降下現象 / ナノ粒子 / 粒子形態 / 形状安定性 / 分散強化 / 高導電性Cu基合金 / 加工熱処理 / 飽和磁化 / 磁気異方性 |
研究概要 |
Cu-Fe-Co合金、Cu-Co-Cr合金、Cu-Ni-Si合金単結晶を用いて、時効析出するナノ粒子の結晶学および形態を調べた。Cu-Fe-Co合金においては、析出するfcc Fe-Co粒子が外部磁場によってbccへとマルテンサイト変態することを見出した。マルテンサイト変態率には、粒子の組成、冷却速度、粒子サイズ依存があることから、本合金の組織制御の自由度が大きいことがわかった。さらに、外部磁場印加が組織制御の一手法として有効な手段であることも結論できた。 Cu-Co-Cr合金においては、強磁性を示すfcc Co-Cr粒子を含む合金の飽和磁化と磁気異方性定数が、Co-Cr粒子中のCr濃度に強く依存することがわかった。Cr濃度が高くなるほど飽和磁化と磁気異方性定数の絶対値はともに減少する。粒子中のCr濃度に注目し、時効温度をより高くすることが、本合金の磁気異方性定数を増加させる方法の一つとなることを見いだした。 Cu-Ni-Si合金においては、析出するNi_2Si粒子と母相との結晶方位関係を明らかにするとともに、粒子がいわゆる不変線方向に成長すること、また、粒子形状はこれまで報告されていた円盤状ではなく不変線方向に伸びたものとなることを実験的に示すとともに、理論的にも説明づけた。Ni_2Si粒子を含むCu単結晶を用いた引張試験によって時効硬化曲線を得た。450℃の時効による降伏強度が、24時間時効で得られることを明らかにした。組織観察結果に基づき、析出粒子の転位によるせん断を考慮して、時効硬化曲線に粒子形状が強く影響することを説明した。Cu-Ni-Si合金の高強度化の指針として、粒子形状をより等方的に保ち、すべり面上での有効粒子直径を減少させないことが、析出強化能を維持することにつながるという結論を得た。
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