研究課題/領域番号 |
15560623
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
楊 続躍 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (20293128)
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研究分担者 |
酒井 拓 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40017364)
三浦 博己 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30219589)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 結晶粒微細化 / 多軸鍛造 / 大ひずみ加工 / キンクバンド / 連続再結晶 / 焼なまし / 粒成長 / AZ31Mg合金 / 集合組織 / マグネシウム合金 / 超塑性 / AZ31マグネシウム合金 |
研究概要 |
本科学研究費補助金による研究成果の概要は次のように2つに分けてまとめられる。 (1)マグネシウム合金AZ31の降温中多軸鍛造による微細粒組織の生成 AZ31マグネシウム合金に対して真ひずみ速度3×10^<-3>s^<-1>で温度を623Kから423Kまで連続的減少させながら,降温中多軸鍛造(MDF)を施す際変形に伴い微細粒組織の生成過程を調査した。多軸鍛造は、実験温度を連続的に減少させて及び加工毎の圧縮軸を90°の回転によって強ひずみ域まで行われた。その際に現れる変形特性と微視組織の生成との関係を調査し、次の諸結果を得た。1)温度降下中の多軸多段階圧縮変形と共に微細粒組織が生成し、その結晶粒径は温度低下と共に顕著に減少した。423KでΣε=4.8の加工によって生じる粒径は0.23μmに達した。2)新粒組織は高方位差を有する境界で囲まれたサブミクロン径の微細粒で構成された。新粒界間方位差分布は温度、変形応力、ひずみによらず約40〜50°で一定であった。3)加工時の変形応力と結晶粒径との関係は約100MPaの応力を生じる変形条件を境に変化し,それぞれの領域で異なる2つのべき乗則,σ=K・D^<-N>,が近似的に成立する。4)室温の硬さは結晶粒径の減少と共に増加し,両者の間にHall-Petchの関係がほぼ成立する。5)本合金における新粒の動的形成機構は、キンク帯が低ひずみ域から頻繁に生じ、変形と共にそれらの方位差が通常の粒界の値まで接近し、高ひずみ域で新粒組織が生じることから、いわゆるひずみ誘起のその場再結晶または連続動的再結晶と結論された。 (2)高温加工マグネシウム合金AZ31の等時間焼なまし特性 動的連続再結晶(cDRX)により生じた微細結晶粒マグネシウム合金AZ31の焼なまし特性を、373K〜673Kの範囲で、SEM/EBSDによる組織観察によって調査した。平均結晶粒径の温度依存性は3つ温度域で変化した。すなわち、1)450K以下での粒成長の遷伏域、2)473K〜523Kにおける急激な粒成長、3)550K以上での正常粒成長域であった。一方、微細粒の密度は領域1でも顕著に減少した。これより、低温から高温の全温度域において粒成長が連続的に起こると結論された。この間、変形集合組織は高温加熱後でも安定に存在した。以上の諸結果より、高温加工AZ31合金の焼なまし過程は、主に回復を伴った粒成長、言い換えれば静的連続再結晶(cSRX)、により支配されると結論された。
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