研究概要 |
銅-希土類(RE)系に着目し、Cu-RE系合金に対しては新しい銅合金の開発を、銅系酸化物に対しては酸化物系の新材料の開発を目指した基礎研究を行い、2年間にわたり研究を行った。得られた結果は以下のように要約される。 1)グラファイトるつぼを用い、溶銅中のREと炭素の相互作用に関する研究を行った。飽和溶解度以下の種々のRE濃度のCu-RE合金をグラファイトるつぼにて溶解し、急冷試料のREおよびC分析を行い1473,1573および1673Kの3温度で相互作用係数を求めた結果、本温度領域でY,La,Nd,Gd,Prに対しては相互作用係数に温度依存性は見られず、 ε^Y_C=-41.0,ε^<La>_C=-64.5,ε^<Nd>_C=-61.1,ε^<Gd>_C=-58.7,ε^<Pr>_C=-27.3を得た。 これに対し、Ceに対しては、相互作用係数は温度依存性を示し、1/Tに対して次に示す直線関係を得た。ε^<Ce>_C=20.5-15.7×10^4/T 2)Yに関する1)の研究中にすでに発表している溶銅中の炭素とイットリウムの溶解度の結果に疑問が生じ、再度炭素飽和下におけるYの溶解度測定を行い、新たに以下の溶解度を得た。 log(mass%Y)=1.453-1073/T(1473〜1723K) 3)熱重量分析(TG)および示差熱分析(DTA)により種々の酸素分圧下(P_<O2>=0.01,0.21および1.0atm)において、Sm_2O_3-Cu_xO系のポテンシャル相図を作成した。その結果、各酸素分圧における相関係と共晶温度、偏晶温度ならびにそれらの組成を決定した。 4)上記研究に関連する熱力学関連の研究を行った。
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