配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
本研究は有機化合物の融液からの結晶化について,1)熱力学的固液平衡関係の定量化,2)成分分配モデルの構築,3)融液の流動操作と固化結晶の全体形状の関係,4)結晶層内部のナノメーターレベルの構造と操作の関係について明らにすることである. これまでに,熱力学的固液平衡関係の定量化,溶質分配係数のモデル化についてほぼ完了させてきた.また,回転冷却管上に疎水性結晶層を生成させ,融液の流動操作と結晶の全体形状の関係の解明,疎水性結晶層の表面および内部構造,純度と操作の関係の解明について実験的また論理的に成果をあげることができた. 分子シミュレーションにより固液相転移における界面の同定と挙動を分子レベルで再現できるようにした.その結果,分子レベルでの固液界面はバルク組成と局所組成の挙動から判断できることがわかった.さらに,溶質分配係数のモデルと分子シミュレーション結果との相関性が分かり始めた. また,ナノメータレベルでスムーズな疎水性固液界面は,融液の流動性の良い状態で成長速度を低く抑えることにより,3次元デンドライト成長から2次元集積成長になることによって,生成できることが分かった. さらに,高純度で分子レベルでスムーズな疎水性界面を生成するため,PVD法による気相成長についても検討した.その結果,結晶層の生成速度は遅くなるが,規則正しく分子配列した高純度の疎水性界面を生成できた.この成長速度と純度の関係もすでに提案した溶質分配係数のモデルによって整理できたが,融液からの生成に比べて気相成長は格段に分配がよくなることが分かった.
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