研究課題/領域番号 |
15560686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横田 久美子 神戸大学, 工学部, 教務職員(教育職) (20252794)
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研究分担者 |
田川 雅人 神戸大学, 工学部, 助教授 (10216806)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 宇宙環境 / 低地球軌道 / 原子状酸素 / 電子線 / 温度 / エロージョン / ポリイミド / 複合環境 / 帯電 |
研究概要 |
本研究は平成13年度日本学術振興会科学研究費のご支援により研究を行ってきた"LEOにおける原子状酸素/紫外線の相対強度がシナジーにおよぼす影響"の内容をさらに発展させ、紫外線以外の複合宇宙環境要因である電子線チャージアップおよび熱についても、(1)個々の宇宙環境要因による各種高分子材料の表面/バルク特性の変化をin-situ測定する、(2)宇宙環境要因のシナジェティックス効果が材料のエロージョンレートにおよぼす影響を定量的に評価する、(3)複合宇宙環境下における特異な材料表面反応における反応メカニズムを解明する、の3点について研究を発展させようとするものである。 本研究の結果、以下の結論が得られた。 (1)熱の影響について、-20℃〜+120℃までの温度範囲では原子状酸素ビームの運動エネルギーが5eVの場合にはガス化反応の活性化エネルギーは10^<-4>eVと極めて小さいが、運動エネルギーが1eVになると10^<-2>eVと約2桁大きくなり、ガス化反応の温度依存性は原子状酸素ビームの運動エネルギーに大きく依存していることが実験的に示された。 (2)電子線との複合効果について、5eV原子状酸素照射下においては電子線、帯電の複合効果はいずれも測定されなかった。しかしながら、1.1eV原子状酸素照射下においては、±1000Vを印加して原子状酸素を照射したところ、約20%のエロージョンレートの増加と反応生成物(二酸化炭素)の増加が観察された。また、電圧印加によりポリイミドの表面自由エネルギー増加が確認されたことから、帯電による高分子表面の高エネルギー化により原子状酸素との反応性が増大したものと考えられる。 これまでの紫外線との複合照射効果の結果に本研究結果を加えることで宇宙用高分子材料の劣化に関する複合環境要因によるシナジェスティック効果について総括的にまとめることができ、宇宙用材料開発のための貴重なデータベース構築に貢献できた。
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