研究概要 |
本研究では,造船の生産全体をディジタル化することを考え,3年間研究を実施した。主な研究成果は次の通り。 (1)造船業のユピキタス社会に向けての考え方,ディジタル生産の基本概念などを検討し,3次元CADを使った生産シミュレーション,ウエアラブルコンピュータの適用,RFIDの適用などの研究を,アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド(呉工場)と共同で実施した。 (2)生産の効率化のための最適化技法を,スケジューリングや生産管理に適用した。用いた手法は,タブー探索,ファジー,シミュレーテッドアニーリング(SA>法,分枝限定法などである。 (3)生産の主人公は人であるという観点から,人間工学や生体工学を応用した作業性評価を行った。対象は溶接作業,持上げ作業,狭隘部の交通性および休憩時間の取り方,作業台高さなどである。 (4)工作精度に関連し,溶接やガス加熱による変形のシミュレーションを行った(熱弾塑性FEM解析)。また,ロバスト性を考慮した精度管理システムについても研究した。 以上の研究結果は,国内では日本船舶海洋工学会(旧日本造船学会),西部造船会(現日本船舶海洋工学会西部支部),日本経営工学会中国四国支部,日本機械学会中国四国支部,近畿大学工学部研究報告,近畿大学工業技術研究所報告,海外ではTEAM(アジア太平洋船舶海洋工学会),PRADS(造船設計関係の国際会議),ICCAS(造船のシステム関係の国際会議),SNAME(米国造船造機学会),ICPR(コンピュータ科学・技術の国際会議)などで発表した。
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