研究課題/領域番号 |
15570008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
遺伝・ゲノム動態
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研究機関 | 佐賀大学 (2004) 佐賀大学(医学部) (2003) |
研究代表者 |
城 圭一郎 佐賀大学, 医学部, 助教授 (90124809)
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研究分担者 |
向井 常博 佐賀大学, 医学部, 教授 (40108741)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ゲノム刷り込み / 転写干渉 / Murr1遺伝子 / U2af1-rs1遺伝子 / Murrl遺伝子 |
研究概要 |
マウスMurr1遺伝子は、その第一イントロンに父性発現をするゲノム刷り込み遺伝子、U2af1-rs1(以後U2)を持つ遺伝子として同定された。Murr1は調べた全ての組織で発現するが、成体の脳でのみゲノム刷り込みを受ける事を我々は見いだした。成体脳では、3〜4倍の発現差で母性アリル優勢発現を示した。この組織特異的なゲノム刷り込み機構を解明するために本課題の研究を開始した。 成体の脳のどの部位で発現しているかを、in situ hybridization法で調べた。その結果、脳のほぼ全域の神経細胞で発現が確認された。U2遺伝子の発現域はMurr1とほぼ一致していた。次に、発現領域全てで母性優勢発現をするのか、それとも、母性アリルのみの発現部位と両アリル発現部位が混在する結果、全体として母性優勢発現となっているかを同じ手法で調べた。染色体転座を利用して両アリルとも父性由来のMurr1遺伝子をもつマウスの脳を解析した結果、全域で母性優勢発現をする事が分かった。Murr1は胎児期から新生仔までは両アリル発現をして、生後2週目以降に母性優勢発現があらわれてくる。これと同じ時期にU2遺伝子の発現量が上昇していた。U2の転写方向はMurr1と逆向きであるが、U2プロモーターからの転写物はMurr1のプロモーター領域まで達していた。これらの結果は、U2遺伝子の父性アリルでの転写がMurr1プロモーターでの転写開始に干渉しその活性を低下させ、これが、Murr1の母性アリル優勢発現の原因であるとの仮説を示唆している。Murr1/U2ゲノム領域のBACクローンをトランスジーンとしてもつトランスジェニックマウスを作製した。このトランスジーン上のMurr1、U2はどちらもゲノム刷り込みを受けなかった。これらの遺伝子のゲノム刷り込みに必要なcisエレメントがこのトランスジーン領域外にあると考えられる。
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