研究課題/領域番号 |
15570036
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理・分子
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山本 泰 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40091251)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 光合成 / 光化学系II / タンパク質架橋 / 活性酸素 / 酸素発生系 / ポリペプチド / マンガンクラスター / タンパク質光損傷 / 分子間架橋 / 光ストレス / D1タンパク質 / プロテアーゼ / FtsH / 熱ストレス / 酵素発生系 |
研究概要 |
光合成光化学系IIは25種類以上のタンパク質からなる葉緑体チラコイド膜に存在する超分子複合体である。本研究では当初、光化学系II酸素発生系の構造解析の一環として、反応中心D1タンパク質の近傍に存在するタンパク質を光架橋法及び化学架橋法で同定し、まだ空間配置の決定出来ていないポリペプチドの配置を調べる目的で研究を開始させた。しかし、研究の進行に伴ないD1タンパク質の近くに金属プロテアーゼFtsHが存在することが明らかとなり、研究の焦点も光や熱ストレスで損傷を受けたD1タンパク質の分解とFtsHの役割、及びFtsHの光化学系IIでの存在状態の解析という点に移行した。以下が本研究の主な成果である。 1.ホウレンソウの光化学系II膜及び光化学系IIコア複合体についてFtsH抗体を用いたウェスタン解析を行ったところ、光化学系IIの近傍にFtsHが存在することが明らかとなった。 2.光及び化学架橋実験の結果、FtsHとD1タンパク質が架橋距離内に存在することが分かった。 3.ホウレンソウ光化学系IIに40℃の熱ストレスを与えるとD1タンパク質が分解されるが、この分解にFtsHが関与することが、FtsHの再構成実験から明らかとなった。 4.FtsHを欠損するシアノバクテリア変異株に上と同じ熱ストレスを与えたところ、D1タンパク質は分解されず、光化学系IIの阻害が起きた。 以上の結果は、光化学系IIの近傍にFtsHが存在し、そのプロテアーゼは光や熱のストレスで損傷を受けたD1タンパク質を分解することで光化学系IIに品質管理に重要な役割を果たしていることを示した。
|