研究課題/領域番号 |
15570083
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
田村 実 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20227292)
|
研究分担者 |
布施 静香 兵庫県立人と自然の博物館, 研究員 (30344386)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 隔離分布 / 原始的単子葉植物 / 植物系統分類学 / 植物地理学 / チシマゼキショウ科 / チシマゼキショウ属 / ハナゼキショウ / 分子系統樹 / 単子葉植物 / キンコウカ / アマドコロ / アロザイム / ISSR / 遺伝子多様度 / 遺伝的分化 / ソクシンラン / 分子系統 / 地理的隔離 |
研究概要 |
本研究では、原始的単子葉植物の中でも、渓流沿いなどの水とかかわった環境や石灰岩土壌などでよく生育し、隔離的に分布する種を多く含むチシマゼキショウ科に特に焦点を当てて、近縁種レベル並びに種内分類群レベルの系統分類学と植物地理学に関する解析を行った。このチシマゼキショウ科は、原始的単子葉植物の中でも、特に形態的に原始的なものの1つとして注目を集めている分類群である。 まず、チシマゼキショウ属とイワショウブ属の分子系統樹を構築し、それらの詳細な系統関係を高いブートストラップ確率で推定した。また、系統進化上重要と考えられる形態形質の再評価も行った。そして、チシマゼキショウ属とイワショウブ属を構成する4つのクレードのうち、孤立したTofieldia calyculataのクレードを除いた3つのクレードは、何れも1つの広域分布種といくつかの地域固有種から成り立っていることを見出した。 次に、東アジアの8地域に隔離分布するハナゼキショウの種としてのまとまりを検証するために、8地域の各々から最低1個体のハナゼキショウを解析に加え、分子系統樹を構築した。また同時に、形態形質の詳細な観察も行った。その結果、これまでのハナゼキショウを、ハナゼキショウ(狭義)、ヤシュウハナゼキショウ(新ランク)、ヤクシマチャボゼキショウの3種に分割するのが妥当と考えた。これら3種は特に近縁というわけではなく、ハナゼキショウ(狭義)はチシマゼキショウの姉妹群、ヤシュウハナゼキショウはTofieldia thibeticaとT.divergensのクレードの姉妹群であることが判明した。また、ヤクシマチャボゼキショウの中に、ヒュウガハナゼキショウ(新変種)とTofieldia yoshiiana var. kanwonensis(新組合せ)の2変種を認めるのがよいと考えた。
|