研究課題/領域番号 |
15570120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
中村 隆範 香川大学, 医学部, 教授 (70183887)
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研究分担者 |
西 望 香川大学, 医学部, 助手 (10145047)
東海林 博樹 香川大学, 医学部, 助手 (10263873)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ガレクチン / 免疫 / 感染 / galactin-8 / galactin-9 / integrin / 好中球 / Jurkat / galectin-8 / galectin-9 / インテグリン |
研究概要 |
ガレクチンファミリーはβガラクトシドを特異的に認識する動物レクチンである。本研究では、感染や炎症応答におけるガレクチンファミリーの役割、中でもタンデムリピート型ガレクチン(galectin-8、-9など)を中心に、免疫系細胞の活性化と糖鎖認識を介した情報伝達の分子基盤の解析を行った。まず、ヒト末梢血好中球に対するgalectin-8の機能解析を行い、galectin-8の二つの糖認識ドメイン(CRD)のうち、N-末端側CRDはヒト好中球のproMMP-9と結合し、結合したproMMP-9の活性化が促進されることを見い出した。一方、C-末端側CRDは主にintegrinαMと結合して、培養プレートへの細胞接着誘導や活性酸素産生を亢進することを明らにした。さらに、顆粒球以外の免疫系細胞に対する作用を、各種培養細胞を使って調べ、galectin-9がJurkat、Molt-4などのT細胞のアポトーシスを、galectin-8はT細胞とともに、Namalwa、RPMI-8866などのB細胞やTHP-1(単球)、K562(前赤芽球系細胞)などの細胞接着を誘導することも見出した。さらにJurkat細胞をモデルにgalectin-8の細胞接着誘導に関与すると思われる候補分子の精製を試み、Integrin-α4が同定できた。また、galectin-8、-9について、2つのCRDを繋ぐリンカー領域(各種プロテアーゼに感受性を有する)を欠くリコンビナントガレクチン(null型ガレクチン)を作成し、それらの構造安定性と生理活性を詳細に検討した。その結果、null型ガレクチンはプロテアーゼに対する耐性と高い生理活性を保持する安定性を有していることが明らかとなった。このようにgalectin-8、-9は、顆粒球(好酸球、好中球、好塩基球)に限らず、様々な免疫系細胞に対して広範な作用を有し、今後の治療薬開発への有効利用も期待できる。
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