研究課題/領域番号 |
15570129
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
|
研究機関 | (財)佐々木研究所 |
研究代表者 |
福島 慶子 (財)佐々木研究所, 生化学部, 主任研究員 (10250010)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | サイトカイン / TNF-α / IL-18 / GPIアンカー糖鎖 / CD48 / IL-18受容体 / マンノース6リン酸 / Proaerolysin / GPI-アンカー糖鎖 / ヒト胎盤アルカリホスファターゼ |
研究概要 |
生体内の微量活性因子が糖鎖結合能を有しており、複合糖質の糖鎖が生理活性のモジュレーターとして機能していることが明らかになりつつある。我々はIL-1β、IL-18、TNF-αがGPアンカー糖鎖を認識していることを見出し、GPIアンカー糖鎖を認識する一群のサイトカインが存在すると考えている。本研究によりTNF-α及びIL-18のGPIアンカー糖鎖結合活性とその生理活性発現における糖鎖認識能の役割を見出すに至った。まず、TNF-αをヒト胎盤アルカリフォスファターゼをコーティングしたプレートに結合し、マンノース6リン酸でその結合が阻害されることが判明した。TNF-α刺激によりアポトーシスが誘導されるマクロファージ系細胞株U937にマンノース6リン酸を添加するとアポトーシスが100%阻害されることも明らかになり、生理活性発現のモジュレーターとしてGPIアンカー糖鎖が機能していることが示唆された。一方、IL-18に関しては同様にヒト胎盤アルカリフォスファターゼをコーティングしたプレートを用いて結合実験を行い、マンノース6リン酸が阻害活性を持つことが判明した。さらに、IFNγを産生するヒトKG-1細胞を用いて上記物質の阻害作用を検討したところ、マンノース6リン酸添加によって阻害が見られた。さらに、IL-18受容体α、βサブユニットは共に膜貫通蛋白質であることから細胞膜上でIL-18及びその受容体と複合体を形成するGPIアンカー蛋白質を検索した結果、CD48であると同定した。さらに、CD48リコンビナント蛋白質を合成して118受容体αサブユニットとの結合活性を調べた結果、CD48のペプチド部分とGPIアンカー糖鎖をデュアルに認識していることも明らかとなった。IL-18受容体βサブユニットはIL-18に対して直接の結合活性を持たないが、IL-18、IL-18受容体αサブユニット及びGPIアンカー蛋白質CD48が複合体を形成することがβサブユニットとの結合のトリガーとなり、シグナル伝達に結びつくと考えられる。以上の結果は、GPIアンカー糖鎖のIL-18依存的生理活性発現モジュレーターとしての役割を示唆するものである。
|