研究課題
基盤研究(C)
代表的な二つの研究成果について述べる。(1)真核生物遺伝子のプロモーターデータベースである"EPD(eukaryotic promoter database)"に公開されているヒトのプロモーターのすべて(1871種)を対象として、DNAのフレキシビリティーを解析した。その結果、TATAボックスもイニシエーターも共に上流側が"柔らかい"配列で構成され、下流側は"硬い"配列で構成されていることが判明した。また、同じ特性がマウスのプロモーターでも見られることが明らかになった。さらに、明確なシス配列を持たないプロモーターでは、転写開始点を中心とした数塩基対の領域がTATAボックスやイニシエーターの機械的特性と良く似た特性を有していることが明らかになった。(2)負の超らせんを擬態した180塩基対の合成ベントDNA(T20)は、一過的遺伝子発現系、エピソーマルアッセイ系、クローン化細胞株を用いたステーブルアッセイ系のすべてでプロモーターを活性化できることが分かった。なお、クローン化細胞株としては、HeLa細胞ゲノムの様々な位置に1コピーのレポーターを組み込んだ6種の細胞株と、これらの株からT20を欠失させた6細胞株を用いた。さらに、エピソーム上またはクローン化細胞株のゲノムDNA上でT20領域に形成されるクロマチン構造を解析したところ、どちらの場合も、この領域には並進位相の異なる様々なヌクレオソームが形成されるが、各ヌクレオソーム上でDNAがとる回転上の位相は、すべて同じであることが判明した。以上から、プロモーター領域に結合したヒストンニアの移動をT20が助けることで転写が活性化する機構が考えられる。
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