研究課題/領域番号 |
15570165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
谷 佳津子 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (40266896)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 小胞輸送 / 小胞体 / ゴルジ体 / ホスホリパーゼA_1 / ホスファチジン酸 / ホスホリパーゼA / ホフファチジン酸 |
研究概要 |
PA-PLA_1 (Phosphatidic acid-preferring phospholipase A_1)は真核生物に存在するホスファチジン酸に選択性の高いホスホリパーゼA_1である。動物細胞にはPA-PLA_1ファミリーに属する3種のタンパク質、PA-PLA_1、p125、KIAA0725pが存在し、このうちp125とKIAA0725pは申請者らが見出した分子種である。これまでの解析より、p125は小胞体から出芽する輸送小胞COPIIのコートタンパク質と結合し、COPII小胞が出芽する小胞体膜上のサブドメインであるER exit siteに局在すること、またKIAA0725pはCOPIIコートタンパク質とは結合せず、ゴルジ体に局在することが示されている。本研究は3種のタンパク質の性質を比較し、それらの生理機能に関する情報を得ることを目的に行った。 1年目はファミリーの中で細胞生物学的解析が遅れているPA-PLA_1に関して抗体を作製し、蛍光抗体法により細胞内局在を調べた。その結果、PA-PLA_1はp125及びKIAA0725pとは異なりサイトゾルのみに存在することがわかった。3種のタンパク質は異なる局在を持つことから、異なる生理機能を持つ可能性が示唆された。さらに、p125、KIAA0725p、PA-PLA_1のキメラタンパク質を作製し、その局在を解析した。p125に特異的なプロリンに富むN末端側の領域とKIAA0725pとのキメラタンパク質はER exit site様の局在を示し、一方PA-PLA_1とのキメラタンパク質はサイトゾルに局在した。このことはER exit siteへの局在にはp125のN末端側の領域に加え、中央部・C末端側の領域の構造も重要であること、そしてそれはKIAA0725pでは代行できるがPA-PLA_1ではできないことを示す。 2年目はp125の機能解析を中心に研究を行った。RNAi法を用いて培養細胞でp125の発現を抑制してその影響を調べた。p125のノックダウンによりER exit siteの細胞内での分布が変化した。通常核近傍に密集して存在するER exit siteが細胞全体に均一に広がって観察された。p125をノックダウンした細胞を用いてVSV-045Gタンパク質の小胞体からの輸送を調べたところ、輸送に顕著な影響は見られなかった。これらの結果はp125が動物固有のER exit site構成成分でありその構築に関与することを示唆する。
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