研究課題/領域番号 |
15570198
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人類学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
五十嵐 由里子 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60277473)
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研究分担者 |
松江 美代子 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (70165265)
清水 武彦 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40328761)
金澤 英作 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050648)
近藤 信太郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (60186848)
山下 真幸 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80255009)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 非齲蝕性硬組織欠損 / 下顎隆起 / 現代日本人 / 縄文時代人 / 鎌倉時代人 / 近代日本人 / 環境要因 / 生体力学 / 現代人歯科患者 / 現代人大学生 / 環境因子 / 楔状欠損 / 下顎骨内面 / 口蓋隆起 / パプアニューギニア高地人 |
研究概要 |
現代日本人の上顎中切歯(I)276本、および上顎犬歯(C)179本において楔状欠損(NCCL)の分類基準を作成し、発現頻度を調べた。Iの38%、Cの63%にNCCLが認められた。IでもCでも唇側面に最も多くNCCLが認められた。NCCLの形は、矢状断面の輪郭と表面の輪郭によって分類した。Iでは、円弧と帯、円弧と三日月、円弧と楕円、くさびと三日月の4タイプが多く、Cでは、円弧と三日月、くさびと三日月、平面と帯の3タイプが多かった。NCCLの成因は歯種によって異なることが示唆された。 下顎隆起の出現状況および、下顎隆起の発達程度(下顎隆起のクラスとサイズ)と環境要因(歯数、叢生の程度、咬耗の程度)の相関を調べた。資料は、縄文時代人、鎌倉時代人、近代日本人の骨格標本、現代日本人歯科患者、現代日本人学生、現代ニューギニア高地人の歯列石膏模型、である。資料の調査に先立ち、下顎隆起の有無および発達程度の判定基準を新たに設定した。どの集団においても、下顎隆起の出現頻度と出現部位に性差および左右差はなかった。縄文時代人の83.5%、鎌倉時代人の62.3%、近代日本人の64.8%、現代日本人患者の76.6%、現代日本人学生の72.0%、ニューギニア高地人の80.0%に、触診で感知しうる下顎隆起がみとめられた。下顎隆起の出現頻度は、縄文時代人では、第二小臼歯部と第一大臼歯部で最も多く、他の集団では、第一小臼歯部と第二小臼歯部で最も多かった。下顎隆起の出現部位の差は、第三大臼歯の有無と相関があることが示唆された。下顎隆起の発達程度は、咬耗の程度、年齢、歯数と正の相関関係にあり、叢生の程度負の相関関係にあることが示唆された。さらに、下顎骨の生体力学的分析によって、下顎骨内部の緻密質の密度が大きくなると、下顎隆起が生じやすくなることが示唆された。
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