研究課題
基盤研究(C)
子葉期のトマトにPotato spindle tuber viroid(PSTVd)を感染させた結果、14日目には第3本葉に葉巻症状が現れ、PSTVdは生長点を除く全ての葉と葉原基で検出レベルに達し、PSTVd特異的siRNAも第2本葉から第9本葉原基で検出レベルに達した。16日目以降も同様の状態が続き、PSTVd及びPSTVd特異的siRNAの蓄積量は上昇した。しかし、顕著に病徴が回復する第9本葉より上位の葉では、第3から8本葉に比べPSTVdの蓄積量が明らかに低下していた。以上の結果から、PSTVd濃度が高くなるとRNAサイレンシングが誘導され、PSTVd特異的siRNAも生長点を除く全身に蓄積し、RNAサイレンシング誘導後に分化する葉原基では分化初期からRNAサイレンシング状態にあるためにPSTVdの増殖/蓄積が抑制され、結果として病徴の回復が生じるものと考察した。Hop stunt viroid感染キュウリとホップ、Hop latent viroid感染ホップ、及びApple fruit crinkle viroid感染ホップの組合せで、感染植物中には各ウイロイド特異的なsiRNAの蓄積が確認された。ウイロイド特異的siRNAには約21塩基と23塩基の2種類が観察されたが、キュウリモザイクウイルス感染キュウリでは約21塩基のsiRNAしか観察されなかった。ウイロイド配列と部分的な相同性を示すトマト遺伝子をin silicoで検索し、クローニング後、塩基配列を決定した。これらをプローブにして、該当遺伝子の発現量を解析したが、発現量は極めて低く、検出レベル以下であった。健全トマト実生とRNAサイレンシングで病徴回復状態のトマト種子から生じた実生に、ウイロイドを接種し、RNAサイレンシングで獲得したウイロイド耐性がその後代にも伝達されるかどうか検討した結果、両者間に感受性の違いは認められなかった。一方、病徴回復状態のトマトを挿し木で継代した結果、後代にも病徴の軽い状態が継続的に維持された。実際の農業現場で、RNAサイレンシングで生じたウイロイド耐性を維持・利用するには、種子繁殖ではなく、栄養体繁殖を用いるのが現実的であることが明らかになった。
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