研究課題
基盤研究(C)
最近のガーデニングブームにみられるように、花卉の需要が高まり、花卉生産の産業としての重要性が高まりつつある。一方で、花卉類にはウイルス病の発生が多く、花卉類の安定生産を脅かす大きな脅威となっている。本研究では花卉類に発生するウイルス病の総合的研究、すなわち病原ウイルスの検索・同定、病原学的性質、媒介者による伝搬機構の解明、診断法の確立などを行うことにより、花卉類のウイルス病防除に関する基礎知見を得ることを目的としている。1.ランえそ斑紋ウイルス(OFV)は世界中のラン科植物に発生してる。OFVはオンシツヒメハダニによって伝搬されることを明らかにした。OFVは成虫および若虫によって永続的に伝搬されるが、幼虫では伝搬されなかた。2.FrankliniellaとThrips属のアザミウマ6種におけるトマト黄化えそウイルス(TSWV)の蓄積と伝搬効率を調べた結果、TSWVの伝搬率はFrankliniella属のほうがThrips属よりも高かった。幼虫期におけるウイルスの蓄積量は両者で差がなかったが、Thrips属では成虫になるとウイルス量がFrankliniella族に比べて非常に低下した。この差が両者における伝搬率に反映しているものと推察された。3.無病徴のアマリリスから長さ、約650nmのひも状ウイルスが分離された。本ウイルスの宿主範囲、物理性、血清学的類縁関係を調べた結果、本ウイルスはわが国では未記載のNerine latent virusであることが明らかになった。4.カサブランカから分離されたArabis mosaic virus(ArMV)のRNA1とRNA2の全塩基配列を決定し、それらの遺伝子構造を明らかにした。5.ポリフェノールや多糖類を多く含む木本植物から有機溶媒をしないdsRNAの抽出方法を確立した。この方法をツバキ、サザンカ、アオキに適用した結果、ウイルス病様症状を示す株からdsRNAを抽出することができた
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Journal of General Virology (印刷中)
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