研究課題/領域番号 |
15580044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用昆虫学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
姜 媛瓊 独立行政法人理化学研究所, 松本分子昆虫学研究室, 先任研究員 (30291917)
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研究分担者 |
今井 典子 独立行政法人理化学研究所, 松本分子昆虫学研究室, 協力研究員 (80333334)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | カイコ核多角体病ウイルス / 宿主制御 / 核外輸送 / ユビキチンリガーゼ / 点状局在 / BRO / IE2 / ORF8 / BmNPV / 相互作用 / IE1 / RINGフィンガー蛋白質 / ユビキチンリガーゼE3 / IE3 |
研究概要 |
本研究では、カイコを宿主とするカイコ核多角体病ウイルス(BmNPV)を用い、バキュロウイルスが行う宿主制御を解析することを目標にし、以下の3つのウイルスタンパク質に注目した解析を行った。まず、RINGフィンガー領域依存的にユビキチンリガーゼE3活性を示すIE2についてウェスタン法を行ったところ、感染後24時間までに徐々に消失することがわかった。そこで、プロテアソーム阻害剤であるMG132を処理した結果、IE2の消失にはプロテアソームによる分解が関与していることが示唆された。また、感染細胞の核内にIE2が形成する点状局在(foci)も、感染後12時間までに消失するが、MG132処理やE3活性欠失変異導入により、拡大したfoci形成を示すことがわかった。一方、ORF8はウイルス増殖の場所と考えられる核内の特定領域に局在を示すことがわかったので、緑色蛍光タンパク質(GFP)を癒合させたORF8を用いて局在の詳細を調べた結果、IE1とhrによってORF8の核内点状局在が促進されることが明らかになった。さらに、核外輸送の阻害剤処理や変異導入の解析により、BROタンパク質がnuclear export signal(NES)として機能する配列をもっており、BROの核外輸送は核外輸送因子であるCRM1に依存していることを明らかにした。次に、NESに変異をもつBRO-Dを発現する変異ウイルスを作製・解析した結果、NESはBRO-Dの機能上重要な役割を担っていることが示唆された。また、変異を持っタンパク質の局在は影響を受けていないものの、RNA合成の抑制によりタンパク質の発現が少し抑制されることが示された。以上の結果より、これらのタンパク質がBmNPV増殖において大事な役割を担っていることが示唆されたので、相互作用する宿主因子を同定するなど、さらに解析を行う予定である。
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