研究課題
基盤研究(C)
環境汚染物質の吸着・固定と大きな関係があると考えられる腐植物質の疎水性と親水性の程度に着目し、高速逆相液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)によって各種腐植物質のキャラクタリゼーションを行うとともに、重金属および難分解性有機化合物と結合しやすい腐植成分の特定を試みた。また、植物を用いた環境修復技術であるファイトレメディエーションにおいて、腐植物質を用いて重金属除去効率を上げることが可能であるかどうかを検討した。まず、C18ポリマーカラムを用い、pH勾配とアセトニトリル濃度勾配を併用したRP-HPLCを腐植酸に適用した結果、親水性と疎水性の程度が異なる3成分に分離した。さらに、ポリマー系モノリスディスカラムを用いて腐植酸とフルボ酸のRP-HPLCを行ったところ、成分I〜Vに分離した。成分1はもっとも親水性が強く、成分Vはもっとも疎水性の強い成分である。腐植酸では、腐植化度によって成分組成が異なったのに対し、フルボ酸では親水性成分に富んでいた。主成分分析を適用すると、腐植酸とフルボ酸とは成分Vの量によって区別され、A型腐植酸とそれ以外の腐植酸とは成分II〜IVの量によって区別された。RP-HPLCと蛍光検出の組み合わせにより、銅イオンと錯体形成する腐植成分を解析したところ、腐植酸では成分IとII、フルボ酸では成分Iが重金属と錯体形成する成分であると推定された。RP-HPLCと蛍光検出の組み合わせによりピレンの吸着に関与する腐植成分を解析したところ、腐植酸では全ての成分が多環芳香族化合物の吸着に関わっているのに対して、フルボ酸では成分II〜IVが吸着に関わっていると推定された。カラシナによる土壌からの銅と鉛の吸収に及ぼす腐植物質の影響を検討した結果、堆肥由来の腐植物質の施用は、土壌中の重金属の可溶化を促進し、それによって植物体による重金属吸収を促進することが示唆された。
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