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真菌感染のイニシエーションにおける環境因子シグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15580062
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 応用微生物学
研究機関京都大学

研究代表者

玉置 尚徳  京都大学, 生命科学研究科, 助手 (20212045)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
キーワードCandida albicans / 感染症 / 形態変化 / レセプター / Gタンパク質 / シグナル伝達
研究概要

ヒトの主要な病原真菌であるCandida albicansは、血清などの環境因子により酵母型から菌糸型へと形態を変化させる。この形態変化は、C.albicansの宿主への感染に必須であることからこれまでに多くの研究がなされてきた。その結果、菌糸型へのスイッチングには、細胞内cAMPの関与が示唆され、さらにはcAMPによるAキナーゼ(cAMP依存性プロテインキナーゼ)の活性化が重要であることが明らかになってきた。しかしながら、菌糸型への形態変化を誘発する環境因子やそのメカニズムに関しては全く明らかにされていないのが現状である。申請者は、出芽酵母の栄養源認識とそのシグナル伝達機構の解明を目的として研究を行い、これまでに栄養源情報伝達に関与するGタンパク質共役型受容体遺伝子GPR1をクローニングした。また、Gpr1タンパク質がグルコース依存的に細胞内cAMPレベルを制御するグルコース受容体であることを明らかにし、グルコースという外的シグナルから細胞内cAMPレベル上昇に至る新規なシグナル伝達経路を明らかにした。さらには、Gpr1が出芽酵母における菌糸様の増殖形態である偽菌糸形成に関与していることを明らかにした。出芽酵母において見いだされた新規なグルコースシグナル伝達機構が、細胞内cAMPを制御して偽菌糸形成に関わるという発見は、C.albicansにおける宿主感染の初期段階に非常に近似していることがわかる。我々は、C.albicansゲノムデータベースを検索し、出芽酵母のGpr1ホモログ遺伝子(CaGPR1)を見いだした。CaGPR1遺伝子破壊株の構築を行いその表現型解析から本遺伝子のC.albicansにおける菌糸形成への関与を見いだした。Cagpr1遺伝子破壊株では、菌糸形成が著しく起こりにくくなっていることが明らかとなった。またここでみられた菌糸形成不全は、cAMPの添加により抑圧されたことから、CaGPR1は、cAMP経路を介して菌糸形成を制御していることが明らかとなった。CaGPR1およびそれと共役したGタンパク質αサブユニットCaGPA2の遺伝子破壊株では、グルコース依存的なcAMPの上昇が認められなかった。さらに、これら遺伝子破壊株においては、cAMPによって転写活性化される遺伝子HWP1,ECE1の発現レベルが野生株より減少していることを明らかにした。さらに、遺伝子破壊株で見られた菌糸形成不全が、感染能力に影響しているかを調べた。マウスを用いた感染実験の結果、感染力の低下は認められなかった。

報告書

(3件)
  • 2004 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 文献書誌 (1件)

  • [雑誌論文] Glucose-dependent cell size is regulated by a G protein-coupled receptor system in yeast Saccharomyces cerevisiae.2005

    • 著者名/発表者名
      H.Tamaki, C.-W.Yun, et al.
    • 雑誌名

      Genes Cells 10・(3)

      ページ: 193-206

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書 2004 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] Gpr1, a Putative G-Protein-Coupled Receptor, Regulates Morphogenesis and Hypha Formation in the Pathogenic Fungus Candida albicans2004

    • 著者名/発表者名
      T.Miwa, Y.Takagi, H.Tamaki et al.
    • 雑誌名

      Eukaryot.Cell 3・(4)

      ページ: 919-931

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2004 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] Gpr1, a Putative G-Protein-Coupled Receptor, Regulates Morphogenesis and Hypha Formation in the Pathogenic Fungus Candida albicans.2004

    • 著者名/発表者名
      T.Miwa, Y.Takagi, H.Tamaki et al.
    • 雑誌名

      Eukaryot.Cell 3・(4)

      ページ: 919-931

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] Kato, T., Mizutani, T., Tamaki, H., et al.: "Characterization of heterotrimeric G protein complexes in rice plasma membrane"Plant J.. (in press). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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